東京市場のドルは年初来高値更新で140円台間近、米金利先高感がドル買い要因に
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、年初来高値を更新し、139円台後半まで買われた。海外時間において、ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事が、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ有無は「データ次第」と発言したほか、引き締め終了は「時期尚早」などとタカ派発言が相次いだことから、米金利先高感が台頭。ドル優勢の地合いとなり139円台をつけた。
東京時間スタート直前に、格付け機関のフィッチが、米国の長期外貨建て発行体デフォルト格付け「AAA」を「レーティング・ウォッチ・ネガティブ」に置いたと発表したことから、一時139円台を割り込む場面が見られたものの、すぐに回復。市場では、「米債務上限問題が解決すれば、「AAA」の格付けは変わらない」との見方が大勢を占めているもよう。
こうした米債務上限問題に対する楽観ムードと米金利先高に、日経平均の3日ぶり反発などが加わったことなどから、ドルは139円70銭まで買われた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:139円22銭
高値:139円70銭
安値:139円18銭
終値:139円55銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:149円74銭
高値:150円04銭
安値:149円68銭
終値:149円88銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:91円12銭
高値:91円25銭
安値:91円04銭
終値:91円09銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:172円19銭
高値:172円45銭
安値:172円14銭
終値:172円31銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:30599円27銭
高値:30889円98銭
安値:30558円14銭
終値:30801円13銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、ECB年次報告
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:24.2万件、市場予想:24.7万件
21時30分、米、実質GDP(前期比年率)、前回:1.1%、市場予想:1.1%
22時50分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
23時00分、米、中古住宅販売成約指数(前月比)、前回:−5.2%、市場予想:0.9%
23時30分、米、コリンズ・ボストン連銀総裁が討論会に参加
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。5月17日以降、拡大する+2σを意識した展開となっている。
日足の一目均衡表では、雲上限(133円78銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現。3月24日の安値(129円65銭)を起点とした下値支持線をサポートに上値切り上げの地合いが続いている。オシレーター系のストキャスティクスが90%超と「買われ過ぎ」の水準に達しているものの、強いトレンド相場の際はオシレーター系のインディケーターは「買われ過ぎ」の水準を示し続けるので参考にならない。
既にドルは139円台後半まで上昇していることから、市場関係者のほとんどは140円台乗せを視野に捉えているだろう。本日朝方のフィッチのニュースでもドルは下げなかったことから、米債務上限問題の楽観ムードは相当強いと考える。民主党と共和党幹部の交渉は難航しているが、「そろそろバイデン大統領、マッカーシー下院議長のどちらかが握手を呼び掛け、6月初旬と見られている「Xデー」前には合意に至る」がコンセンサスとなっている。「はしご外し」となった際はさすがにドル売りが強まるだろうが、足元、急に強まっている米金利先高感はある程度ドルの下支えとなろう。
今晩の海外時間では、米政府高官による「タカ派」発言期待がドル買いの材料となりそうだ。本日の上値メドは、年初来高値を上回る心理的な節目の140円00銭、下値メドは本日の朝方につけた138円84銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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