連日のドル高値更新、140円は視界内だが・・・(5/25夕)

25日の東京市場はドルが続伸。一時140円も視界内に捉えた139.70円レベルまで値を上げていた。

連日のドル高値更新、140円は視界内だが・・・(5/25夕)

連日のドル高値更新、140円は視界内だが・・・

〇ドル円、139円半ばで寄り付いたのち、一時的な荒れ模様で急落、138円台後半まで下落
〇その後逆行高し、本日も年初来高値を更新、16時には139円半ばで欧米市場を迎える
〇5/24米ホワイトハウスと野党・共和党担当者による米債務上限問題の協議は妥結はせず
〇米債務上限問題に対する格付け会社の米長期債の格下げを意識したコメントに要注意
〇ドル高・円安方向は本日東京高値139.70レベルが最初の抵抗、超えれば140円トライも
〇ドル安・円高方向は、本日東京で記録した安値138.80-85の攻防にまずは注目
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは138.70-139.90

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場はドルが続伸。一時140円も視界内に捉えた139.70円レベルまで値を上げていた。

ドル/円は139円半ばで寄り付いたのち、一時的な荒れ模様でドルが急落する局面も観測されていた。138円台後半まで下落。格付け会社フィッチが米格下げの可能性を示したことが嫌気されていたようだ。しかし、影響は短期的なものにとどまると、その後ドルは逆行高。寄り付きレベルを超え、連日の年初来高値更新をたどるなか、16時現在では139円半ばで推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米債務上限問題」と「ロシア情勢」について。
前者は、米ホワイトハウスと野党・共和党担当者による協議は24日も実施されたが妥結はせず。ただ、共和党のマッカーシー下院議長から「状況は少しずつ良くなっている」とした前向きコメントが発せられており、雰囲気は悪くなかった。しかし、そうしたなか格付け会社フィッチが米格下げの可能性を示したことで相場が一時暗転。ドルが急落展開をたどったものの、フィッチから同時に「米債務交渉のXデー前の妥結をなお予想」といったフォローも聞かれたことで影響は限定的なものにとどまっている。とは言え、別の格付け会社であるムーディーズも、「債務上限協議を行っている議員の公的な発言が格付け見通しの評価変更につながる可能性がある」との見解を示したとされるなど、楽観は禁物だろう。

対して後者は、ロシア通信が「ウクライナの軍総司令官が負傷、今後の任務継続が困難な見通し」と報じたことに対し、ウクライナが否定。またプーチン大統領からは、「ロシア経済崩壊のシナリオは現実とならない」と強気のコメントが発せられていたようだ。そうしたなか別途物議を醸していたのは、ペスコフ報道官による「ウクライナと国境を接する地域に侵入してきたウクライナ戦闘員らが米国製の軍用装備を使用していた」との発言。米国は自衛以外の使用目的を原則禁止している。それもあり、米NSC調整官は「事実を調査中」としたうえで、改めて「ウクライナ軍によるロシア領内での米装備使用を認めない」とコメントしていた。

<< 欧米市場の見通し >>

先週後半以降のドル/円は高原推移をたどるも、逆に言えば上げ渋りの様相。138.70円台でもたついている感も見られたが、昨日ついに139円台乗せ。そして本日東京時間には連日の高値更新となった。短期的にはさすがに上げ過ぎで調整にも要注意だが、リスクそのものは引き続きドル高方向か。ちなみに、昨年高値151.94円を起点とした大きな下げ幅の半値戻し139円半ばを本日東京時間に上抜けており、フィボナッチの観点では140円超えも否定できない。
マーケットで注視されている米金融政策は、FRB関係者などからタカ派発言が相次いでいることもありドルの支援要因に。実際、昨日はウォラー理事から「6月のFOMCで利上げを見送る可能性はあるものの、利上げ局面を終了させる公算は小さい」との認識が示されていた。しかし、気になるのは米債務上限問題で、先でも取り上げたように格付け会社から米長期債の格下げを意識したコメントが発せられていることには要注意だ。強気に傾斜しすぎているきらいもあるだけに、ハシゴが外されるようだと流れが一変する危険性もなくはない。

テクニカルに見た場合、ドル/円はドルが一段高。本日東京では紆余曲折を経たのち、結局139.70円レベルと140円を意識した展開をたどっている。レベル的には到達も時間の問題で、超えれば次の強い抵抗は142円台か。しかし、11日安値133.75円を起点としても2週間で6円弱の上昇をたどっており、短期的には行き過ぎの域にある。調整を警戒する声も決して少なくないようだ。

本日は米経済指標として、1-3月期のGDP改定値や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるうえ、米国もさることながら欧州の中銀総裁などによる講演等の発言機会もある。ポンドを含めた欧州通貨の動きにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.70-139.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値139.70円レベルが最初の抵抗。超えればいよいよ140円トライも。
対するドル安・円高方向は、本日東京で記録した安値138.80-85円の攻防にまずは注目。基本的には底堅いイメージだが、割り込めば意外に大きく下落する危険性もある。

連日のドル高値更新、140円は視界内だが・・・

ドル円日足

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