ドル円139円台後半、米長期金利の上昇に年初来高値を更新
25日午前の東京市場でドル円は急落の後上値を広げる荒い展開。朝方139.46レベルで取引の始まったドル円は、7時半過ぎに、格付け会社のフィッチ・レーティングスが米国債の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたとの報道を受け急落。一時138.82の安値をつけましたが、その後は、時間外の米長期金利の上昇を受けて139.65まで上昇し、年初来高値を更新しました。東京時間正午現在は、139.58レベルで取引されています。
日経平均株価は、欧米市場の株価が昨晩も下落した流れを受け、売りが先行しましたが、米半導体大手エヌビィディアの業績見通し好転を受けて、本邦でも半導体関連銘柄が急騰。他業種のマイナスを埋める形で市場を牽引し、早々に上昇に転じました。午前中の円安進行が輸出関連銘柄の買い戻しにつながったこともあり、上げ幅は一時200円を超え、結局165円高で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場ではFRB高官のタカ派発言と米長期金利の上昇に、ドル円は米国時間に139円台乗せを示現。その後もみ合いながらも上値を広げ、終盤には139.47の高値をつけ、そのまま高値圏で東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、200日移動平均線を遥かに上放れ、強いドル買い地合いとなっています。
既に昨年高値151.95から今年1月の年初来安値127.23までの下落の半値戻し139.59に到達。3/24からの上昇チャネルの上限139.82や節目の140円を超えると、上記フィボナッチの61.8%戻し142.50レベルが視野に入って来ます。
現在の市場に漂う不安定感の背景としては、予想外に解決に時間がかかっている米債務上限問題の影響が大きそうです。未だに大半の参加者はデフォルトを回避できるとみているものの、既に格付け会社の米国格付け見通し引き下げの事態にまで至っており、チキンゲームも冗談では済まされない領域に差し掛かりつつあります。ドル円でのドル買いについても、米国債見通し引き下げからの米債売り→米長期金利上昇との経路でのドル買いや、それとはやや矛盾するものの、万一デフォルトに至った場合には米国よりも周辺国のダメージが大きいと想定しての(極端な有事の場合円よりドルが買われる、)「本格的有事のドル買い」も一部出ているものと思われます。
引き続き債務上限問題は要注視ですが、交渉が妥結してデフォルトが回避された場合でも、米株価は大きく反発するでしょうが、ドル円は上記の動きの巻き戻しも想定され、必ずしも一方向のドル買いとはならない可能性があり注意が必要です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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