トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、大統領選を控えてこれまでにも増して流動性が低下
〇安値5.74レベル、高値6.91レベルと、かなり弱い地合い
〇週明けのトルコリラ、金曜の薄い中で売られた動きに対して買い戻しが入り落ち着いた動き
〇大統領選は開票90%超えでエルドアン大統領の得票率49.5%、28日の決選投票に持ち越しの可能性大
〇決選投票の結果まではトルコリラも動きにくい流れか
〇今週は6.75レベルをサポート、7.00レベルをレジスタンスとする週と見る
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「流動性が低下していると考えられるため、実体部分のレンジを参考にして、6.75レベルをサポートに、7.00レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が5.74レベル、高値が6.91レベルと、予想レンジよりもかなり弱い地合いとなった一週間でした。
先週のトルコリラは、大統領選を控えてこれまでにも増して流動性が低下していた様子で、トルコリラは対ドル、対円ともにヒゲが長い足となり、トルコリラ円も安値は6.32です。おそらくは、こちらの安値の方が現実に近いと考えられ、週末に実施される選挙前で市場が薄くなりビッドとアスクとのスプレッドが開いたことで極端な安値を見せていますが、実際に取引されていない可能性の方が高いと思います。
というのも通常のチャートでは、取引所で取引される株などではラストという最終取引レートの連続でチャートが描かれますが、FXのようにOTC取引の場合はだいたいはビッドのレートの連続でチャートが描かれます。
そのため、スパイクが発生した時などは異様に低いレートでチャートが描かれる場合があります。
そして波乱の要因となった大統領選はこれまで書いてきた通りですが、野党統一候補のクルチダルオール氏が若干優勢と見られていたものの世論調査ではその差は縮まりほぼ互角での投票日を迎えるという流れでした。昨日の投票結果は開票率が50%程度の時にはエルドアン大統領の得票率が過半数を超えていましたが、90%を超えた段階ではエルドアン大統領の得票率は49.5%と過半数には届かず、このままで行けば28日の決選投票に持ち越しということとなります。
決選投票となった場合、泡沫候補(一人は先週すでに候補を辞退)一人の票の多くが野党統一候補に回ると考えられるため、クルチダルオール氏が有利と考える向きもいますが、今回も結局はエルドアン大統領のほうが得票率が多かったことや、決選投票までの2週間でどのような工作をしてくるかもわからず、結局は決選投票の結果待ちということになるでしょう。
そうなると、トルコリラもそれまでは動きにくい流れとなりますが、クルチダルオール氏が優勢と判断されればトルコリラ買い、エルドアン大統領が優勢と判断されればトルコリラ売りという思惑が決選投票に向けて起きる可能性はあるでしょう。
週明けのトルコリラは金曜の薄い中で売られた動きに対して買い戻しが入っていったん落ち着いた動きになっていますが、決選投票が近づくとまたボラティリティは上がるでしょうし、直前26日の市場は今回の金曜のように荒っぽい動きになると予想されます。なお、今週に関しては肩透かしを食らった感じもありますので、動きは鈍くなると見てよさそうです。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
だいぶ狭く見えますが以前のローソク足の実体レンジ(6.75〜6.98)の中に戻してきました。今週はこの以前のレンジの中での動きに戻りやすいと考え、先週同様に6.75レベルをサポートに、7.00レベルをレジスタンスとする週を考えておきます。
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