東京市場のドルは136円台回復、米債務上限問題の解決期待で200日MAを意識か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、136円台でのしっかりとした推移となった。先週末の海外市場では、5月のミシガン大学消費者調査の5‐10年の期待インフレ率が12年ぶりの高水準に達するなど想定以上に長期のインフレ期待が加速。米2年債利回りは3.99%まで拡大したことからドル買い優勢の地合いとなった。
東京市場もこの流れは継続し、5月3日以来となる136円台を回復。足元の懸念となっている米債務上限問題についても、16日にバイデン大統領と共和党幹部が再協議する方向となったことなどからドル買いに弾みがついた。また、「バイデン大統領が広島で開催される主要7か国首脳会議(サミット)に出席するため17日に出国する」とホワイトハウスが発表したことで、サミット前に共和党幹部と債務上限問題の折り合いがつくとの思惑もドル上昇の要因となったようだ。
なお、株式市場では企業決算を材料とした買いが幅広く入ったことなどから日経平均は上昇。2021年11月24日(高値:29758円05銭)以来となる29600円台まで買われた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:135円77銭
高値:136円24銭
安値:135円74銭
終値:136円18銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:147円32銭
高値:148円03銭
安値:147円30銭
終値:148円01銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:90円21銭
高値:91円01銭
安値:90円18銭
終値:90円99銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:168円99銭
高値:169円85銭
安値:168円99銭
終値:169円82銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:29547円04銭
高値:29629円47銭
安値:29475円97銭
終値:29626円34銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、ユーロ圏鉱工業生産指数(前月比)、前回:1.5%、市場予想:−2.6%
18時00分、欧、ユーロ圏鉱工業生産指数(前年比)、前回:2.0%、市場予想:0.3%
21時30分、米、ニューヨーク連銀製造業景気指数、前回:10.8、市場予想:−3.8
21時30分、米、クールズビー・シカゴ連銀総裁によるCNBCインタビュー
21時45分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が年次金融市場会議に出席
22時15分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が討論会に出席
25時00分、英、ピル英中銀チーフエコノミストが金融政策報告について発言
28時00分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が年次金融市場会議にて質疑応答
29時00分、米、対米証券投資、前回:710.0億ドル
30時00分、米、クックFRB理事がイベントにて講演
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。4月末の日銀金融政策決定会合後の数日、+2σを上回る強い動きは見られたが、3月8日の戻り高値137円92銭手前で失速した。
日足の一目均衡表では、雲上限(133円00銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現していている。先週末に遅行スパンが実線に飲み込まれる可能性はあったが、足元のドル買いで、遅行スパンの陰転は回避した格好にある。
足元、20日MA(134円88銭)と9日MA(135円06銭)水準でのもみ合いを上放れており、200日MA(137円03銭)が位置する137円台乗せを試す展開となっている。16日に予定されている米債務上限問題の協議にて何かしらの進捗が確認できた際、200日MAをうかがう可能性もあろう。
もっとも、米2年債利回りは4%前後で推移しており、米金利先高観はさほど強まっていない。6月上旬に発表される米雇用統計や同中旬に発表される米消費者物価指数など重要な経済指標を確認しない限りは、200日MAを一気に上放れ、140円台を回復するような強いドル買いの地合いは難しいだろう。
とはいえ、米債務上限問題の解決期待を背景としたドル買いのモメンタムはまだ残っていることから、本日の上値メドは、200日MA水準である137円00銭、下値メドは本日の東京時間の安値の135円74銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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