ユーロ 下値はそろそろゴールに近づきつつあるか(週報5月第3週)

先週のユーロドルは、前週までのユーロ買いの動きに対して調整が目立った週となりました。

ユーロ 下値はそろそろゴールに近づきつつあるか(週報5月第3週)

下値はそろそろゴールに近づきつつあるか

〇先週のユーロドル、週初は米金利上昇をきっかけとしたユーロ売りがユーロドルの水準を下げる
〇週後半、米金利低下の局面でもドル売りとならず1.09割れ、週初からのユーロ売りの流れ続く
〇今週はユーロドルの方向性を変えるほどのイベントはないか
〇ドル円での円安が追いかけ追い抜きという動きから、ユーロ円は148円台後半までの戻しも
〇今週は1.0810レベルをサポートに1.0950レベルをレジスタンスとするレンジを見る週とする

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは、前週までのユーロ買いの動きに対して調整が目立った週となりました。週初は米金利上昇をきっかけとしたユール売り(ドル買い)がユーロドルの水準を下げましたが、週後半は米金利が低下する局面でもユーロ買い(ドル売り)とはならず、週初からのユーロ売りの流れを続けていました。

材料的に特別ユーロを売る材料があったわけでは無いのですが、5月ECB理事会前にECBは0.5%利上げでさらに引き締め、FRBは5月0.25%で利上げ打ちどめという見方が短期筋のユーロ買いポジションを増やし、結果としてそのポジション調整によるユーロ売りが出たということが大きかったように思います。実際に金曜のNY引け後に発表された9日時点のシカゴ通貨先物のユーロ買いポジションは179,422枚と2020年10月以来の買いポジションに膨らんでいたことからも、ポジションがかなり増えていた結果だったと言えそうです。

下値はそろそろゴールに近づきつつあるか

今週は材料的には米国の債務上限問題の協議、G7広島サミットといったイベントはあるもののユーロドルの方向性を変えるほどのものでは無さそうですし、欧州関連の材料も経済指標やECB関係者の発言があるとは言え、それほど重要度が高いというものではありません。ここまでの調整が続くのか、あるいは再びユーロ買いに回帰するのか、テクニカル観点から考えてみましょう。

下値はそろそろゴールに近づきつつあるか 2枚目の画像

3月安値と4月高値との38.2%押しを下抜けしましたので、次のターゲットは半値押しの1.0805となります。また上値は黄色のラインマーカーで示したローソク足実体部分のサポートは基準線と重なる1.0962となっています。

今週はこのレンジの中での推移となりそうですから、1.0810レベルをサポートに1.0950レベルをレジスタンスとするレンジを見ておくこととします。

今週のコラム

今週もユーロ円の日足チャートをご覧ください。

下値はそろそろゴールに近づきつつあるか 3枚目の画像

先週示した3月安値と5月高値の38.2%押し146.72を見てそこから再び上昇しやすいという見方で動き始めていると言えそうです。146.72レベルはこれまでも下ヒゲでの動きとなりやすい水準で、146円台半ばから前半はユーロ買いオーダーが置きっぱなしになっている可能性があります。

ユーロドルの下げはまだありそうではあるものの、ドル円での円安が追いかけ追い抜きという動きになってきたことから148円台後半までの戻しはあるのではないかと見ています。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

5月15日(月)
18:00 ユーロ圏3月鉱工業生産
21:10 ドイツ連銀総裁講演 ☆

5月16日(火)
15:00 英国4月失業率
18:00 ユーロ圏1〜3月期GDP改定値 ☆
18:00 ドイツ5月ZEW景況感 ☆
18:00 ユーロ圏3月貿易収支

5月17日(水)
18:00 ユーロ圏4月CPI

5月18日(木)
(特になし)

5月19日(金)
08:01 英国5月消費者信頼感 ☆
15:00 ドイツ4月PPI ☆
22:55 シュナーベルECB理事講演 ☆
**:** G7サミット(〜21日@広島)☆

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

5月8日(月)
ユーロドルは東京市場では買い、海外市場では売りという動きになりましたが、米金利上昇の動きがユーロドルでのドル買い・ユーロ売りとして見られた程度で、目立った材料に反応があったわけではありませんでした。

5月9日(火)
ユーロドルは週初から米金利上昇によるドル買いが対ユーロで目立つ展開が続きました。金曜安値は割り込んだことでユーロ売りが広がる場面も見られましたが、前週安値を抜けきれずやや戻して引けました。

5月10日(水)
ユーロドルはじり安の動きから1.0942レベルと前日安値をギリギリ割り込まない水準まで下げてのNY市場待ち。CPI発表後はドル売りの動きから1.1007レベルまで買われた後、やや押して引けました。ユーロ円がドル円とともに下げた動きがユーロ買いを相殺したことで、値幅は終日で65pipsといまひとつ冴えない展開となりました。

5月11日(木)
ユーロドルは欧州市場序盤にストップと見られる売りに押され前日安値を下抜け、その後も上値の重たい動きが続きNY前場には1.0900レベルの安値をつけました。NY市場では米金利は低下していましたが、ユーロドルは上値が重たいままで引けました。

5月12日(金)
ユーロドルは欧州市場序盤まで動かず、海外市場に移ってからは米金利上昇とともにユーロドルは売りが強まる展開となりました。NY昼過ぎには1.0848レベルまで売られ、そのまま安値引けとなりました。

ディスクレーマー

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