NZ中銀金融政策記者発表
本日NZ中銀の金融政策会合で、オフィシャルキャッシュレート(OCR)を現行の4.75%から5.25%へと、50ベーシスの大幅利上げを実施しました。従前の予想中間値は0.25%でしたが、予想レンジ上限までの利上げとなりました。
記者発表要旨の和訳
金融政策委員会は本日、オフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)を50ベーシス、すなわち4.75%から5.25%に引き上げた。
委員会は以前指摘した様に、インフレを中期目標である1〜3%に戻すためには、OCRの引き上げが必要であると合意した。インフレは依然として非常に高くかつ根強く、雇用は持続可能な最大水準を超えている。
12月末四半期の経済活動の水準は2月の金融政策声明時の予想より下回り、経済の稼働圧力の緩和が起きている。しかしながら、需要は引き続き経済の供給力を著しく上回っている。それ故、年間インフレへの圧力が継続している。
最近、北部での厳しい天候は幾つかの商品やサービスに対し価格上昇をもたらした。直近、より上昇したCPIインフレは、インフレ期待が我々の目標レンジを越えて持続するリスクを高めている。
中期的に、委員会は、天候事象の余波において再建努力により経済活動が支えられていくと予想している。資源への需要は、2月の金融政策声明で想定された以上のインフレ圧力を上乗せしていくことが予想される。
世界の成長は平均を下回ると予想され、NZの主要商品輸出の需要減をもたらす。NZのサービス輸出…とりわけ観光業の様な継続的成長がこの輸出収入の減少を相殺すると予想される。
NZの経済成長は2023年を通して鈍化が予想される。これは世界経済の鈍化、居住用住宅建設活動の減少、そしてこれまでの金融政策引き締めの継続的な影響による。消費の伸びの鈍化は、中期的にインフレを目標に戻すには必要なことである。
委員会はOCRがインフレやインフレ期待を中期的に目標レンジ内に抑制する水準であることが必要であると合意した。委員会は、預金金利の上昇と共に、家計や企業への貸出金利率の現行水準を維持することがこれを達成するには必要なことであると合意した。NZの金融システムは経済活動が鈍化する時期を通し、乗り切るには十分適した立場にある。
(以上)
NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。(出所:NZ中銀HP)
NZドル米ドル相場は、予想を越える利上げ幅に、発表前0.6305で推移していたNZドルは0.6375まで急騰し、その後は0.6350付近で推移しています。シカゴポジション379内で記載した一番上の抵抗線まできています。この上は0.6390〜0.6400にありますが、もしこれを越えていくと方向性としては0.6530〜40付近まで上値余地が広がります。シカゴのNZドルショートポジションが非常に厳しくなっています。
また昨日の豪州中銀が据え置き、NZ中銀が大幅利上げにより、豪ドルNZドルは1.0715付近から1.0620まで約100ピップスのNZドル高豪ドル安になっています。
(4月5日14:00、1NZドル=0.6351米ドル)
次回のNZ中銀の金融政策は2023年5月24日(水曜日)に予定されています。
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