シカゴポジション(CME)379
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2023年3月28日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。
ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
シカゴポジションはユーロを除き3通貨はポジション調整の1週間でした。この1週間は4通貨全て米ドル安で、3通貨はポジションの逆方向に動いたので、シカゴはリスク減の動きでした。ユーロはポジション通りの相場になりましたが、ポジションはほとんど動かしていません。
まず豪ドルですが、相場観をショートに切り替えたのが、2021年6月15日週(終値0.7685)で、最大に積み上げたのが22年1月11日週の▼91,500万枚(終値0.7209)、その後利確して期間の最小(▼27,600枚)が22年4月26日週(終値0.7121)でした。その後戻り売り+利確で豪ドル最安値の終値が22年10月11日週の0.6272(▼27,700枚)、更に2週間後にポジション最大が▼51,400枚で終値0.6394でしたので、11月以降に相場が豪ドル高に戻っても我慢の連続でした。ショートポジションにしてからほぼ2年近くになるので、現状のポジションは豪ドル安で手仕舞いに動く可能性が高いと思います。
NZドルは昨年9月中旬のショートを手仕舞いして、上手く回転させていましたが、10月以降は売り上がり(10月11日週終値0.5582でポジション▼19,000枚)、12月20日週にロングに引っくり返し(その時点の終値0.6347)、再度3月14日にショートに引っくり返しているので(終値0.6235)、この半年以上は相場観が機能していません。従い、現行のショートも売り増しは考え難くなってきています。
ドル円は今年1月30日締日(終値130円09銭)で▼2万枚。ドル円が昨年10月に高値をつけて翌週の10月25日締日が▼10万2千枚でしたので、上手く手仕舞いしました。再度ロング積み上げが2月21日週(前週底値132円55銭)からでしたので、今回のロングのコストはあまり良くありません。132円未満になった時にロングを積み上げるのかを見たいと思います。ユーロはほとんど変わらず、3月15日底値の1.0516で良く耐えたと思います。ユーロをロングに切り替えたのが昨年10月18日週で(+48,000枚、終値0.9858)でしたので、コスト自体はまだまだ十分利にのっていると思います。暫くはユーロ先高観を維持していくと思います。
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
シカゴは3週前にNZドルのロングポジションをひっくり返しショートにしていましたが、先週はやや腰折れしています。それでも相場観の目安である5,000枚以上をキープしているので、NZドル安先安観を維持しています。
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。
棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
チャートを見ると、黒のNZドル安トレンドラインが0.5710〜0.6430にあり、また1月24日締日高値0.6502と2月14日の戻り高値を結んだ緑の抵抗線が0.6180にありましたが、先週はこの緑の抵抗線を越えてきました。明日の終値でこれ以下に潜り込めない場合は黒のライン上限0.6430方向までの上値余地が広がり、シカゴは売り上りするのか注目されます。
さて実際の相場は、先週「…短期的なNZドル高を守っています。このサポートは今日0.6180にあり、金曜日には0.6220まで上がるので、今週はここが下値ポイントになります。(中略)一方で0.6180〜0.6220ゾーンのサポートを守れば、まだ上値トライの可能性を残しており、0.6280、0.6310〜20、0.6350の順にある抵抗線狙いとなります」としましたが、先週はこの0,6180が底値になり、かつ金曜日終値も0.6257でしたので、このサポートを守りました。上値は0.6298までありましたが、2つ目の抵抗線手前まででした。今日の朝方は米10年債金利が高くなり、シドニー市場では米ドルが全般的に買われて、NZドルも0.6224付近で始まり、丁度今日のサポート0.6224に絡んで推移しています。下値は昨年10月13日底値からのサポートが0.6170にあり、金曜日には0.6195付近になります。
今週はこれを守れるか否かになります。もし守られた場合は再度上値トライに繋がり、0.6290〜0.6300、0.6330、0.6350〜60の抵抗線を狙う形です。一方で、サポートを切れた場合には0.6130、0.6090、0.6060の順に下押しとなります。
(1NZドル=0.6221米ドル、4月3日12:40)
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