トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値6.61、高値6.93レベルと予想レンジよりやや強い値動きの一週間
〇ドル円とほとんど同じ動きで底堅い値動き、週後半は平行下降チャンネルを上抜ける動き
〇ドルトルコリラはリラ安の角度が若干急角度で以前よりも強まっている印象
〇5/14の大統領選、不正なしに選挙が行われると政権交代の可能性が高そう
〇今週は基本的に横方向の動き、6.75レベルをサポートに7.10レベルをレジスタンスとする週
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「平行下降チャンネルの中での動きを考え、6.50レベルをサポートに、6.90レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が6.61レベル、高値が6.93レベルと、予想レンジよりもやや強い値動きとなった一週間でした。
先週のトルコリラですが、既にトルコリラの材料で動かなくなって久しいのですが、3月に入ってからの金融機関に対する経営不安が遠のきリスクオンによる株高、円安の動きからドル円とほとんど同じ動きをしているトルコリラ円も底堅い値動きとなり、週後半には平行下降チャンネルを上抜ける動きとなりました。
リスクオン材料は新興国通貨にとっても好材料なのですが、ドルトルコリラに関しては以前から見ているように緩やかなドル高・トルコリラ安の動きを続けています。また、3月以降はそれまでに比べトルコリラ安(ドル高)の角度が若干ではあるものの急角度になってきていて、トルコリラ安の動きが以前よりも強まっているという印象です。
理由ははっきりとはしないものの5月14日に行われる大統領選に向けてトルコ国内の政局が不安定になるかもしれないという懸念にあるかもしれません。本来であればこうした材料には敏感に反応してもおかしくないのですが、最近はトルコ国内の材料にはほとんど反応しないという状況が続いてきただけに、流れがかわりつつあるのかもしれません。
ちなみに31日に立候補者の届け出があり、与党AKPからはエルドアン大統領が、野党統一候補としてCHPのクルチダルオール党首が、他にも2名で合計4名での大統領選挙になるようです。3月17日の世論調査ではCHP党首が53%、エルドアン大統領が42%の支持率となっていて、現状のままで不正なしに選挙が行われると政権交代の可能性が高そうです。選挙に不正の可能性というあたりもトルコリラ売りが若干強まってきた理由と見てよさそうです。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円の下降チャンネル上抜けではあるものの、詳細はドル円週報をご覧いただくとして、このまま上昇を続けるとも思えず横ばいというのが妥当かと思います。その場合、直近3週間の値動きを参照することが良いかと思います。つまりトルコリラ円に関しては7.10レベルがレジスタンスになります。
いっぽうで下値はトルコリラ円ではスパイク状の値動きが発生しやすいため、6.75レベルが実質的な安値圏になってきたと考えられます。今週は基本的に横方向の動きを考え、6.75レベルをサポートに、7.10レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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