足もとはドル戻り局面、ただ一巡後再下落も(23/3/27)

週明け27日の東京市場はドルが小高い。とくに夕方に掛けて上げ幅を拡大させていた。

足もとはドル戻り局面、ただ一巡後再下落も(23/3/27)

足もとはドル戻り局面、ただ一巡後再下落も

〇本日のドル円、夕方に掛けてしっかりと131円台を回復
〇あくまで調整の動きに過ぎず、上値を確認後はドル再下落を予想
〇ロイター「米銀ファースト・シチズンズ、SVB買収交渉は進んでいる」と報道
〇28日に発表される3月の米消費者信頼感指数を注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.60-131.90
〇ドル高方向は131.65レベルが最初の抵抗、ドル安方向は本日東京安値130円半ばに注目

<< 東京市場の動き >>

週明け27日の東京市場はドルが小高い。とくに夕方に掛けて上げ幅を拡大させていた。

週末には、ロシアの国営放送でプーチン大統領が「戦術核配備でベラルーシと合意」と発言し物議を醸す。また、台湾が中国と国交を樹立した中米ホンジュラスと断交を明らかにしたことも思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた130.50-55円を日中安値にドルが小じっかり。ただ、上値は重くなかなか131円台に乗せ切れないなか、夕方に掛けてはしっかりと131円台を回復。16時現在ではそのままドルの高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。なお、本日も早朝に北朝鮮が再びミサイル発射実験を行ったもようだが、影響は限られた。

一方、材料的に注視されていたものは「金融システム不安」と「露の戦術核配備」について。
前者は、当初イエレン米財務長官から「すべての預金に対する銀行破綻時の保護措置の拡大は検討していない」といった発言が聞かれ、金融市場の不安感を増長させていたものの、そののち修正が掛けられたようだ。週末にバイデン米大統領からも、さらに米銀行が破綻した場合、「連邦預金保険が1口座当たり25万ドルという保護の上限を超えて適用される可能性がある」とのコメントが発せられている。また、ロイターによる「米銀ファースト・シチズンズ、SVB買収交渉は進んでいる」などといった報道も観測されたが、一方で「FRBの週次統計からSVB破綻後を含む9-15日の1週間に米国の中小銀行から過去最大の預金が流出したことがわかった」といった内容も別に伝えられている。不安そのものは後退しているものの、まだまだ予断を許さない。

対して後者は、前述したプーチン氏の発言「戦術核配備でベラルーシと合意」が物議を醸す。発言を受け、EU外相に当たるボレル外交安全保障上級代表はベラルーシへの制裁を警告したほか、NATO報道官からも「戦術核配備計画は危険で無責任」との強い批判が観測されていた。また、ウクライナ外務省は「プーチン政権による新たな挑発行為だ」などと非難したうえで、国連安全保障理事会の緊急会合を開催するよう求めたことを明らかにしている。ただ、米NSC調整官によると、「ロシアが核兵器を移動させた兆候は見られない」とされ、いま少し様子見を見るべきといった声も取り敢えずは根強い。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は先週末に1ヵ月半ぶりの130円割れを示現するなど、下値リスクが高まったが、その後はむしろドルは小じっかり。131円台まで値を上げる展開となっている。個人的には飽くまで調整の動きに過ぎず、上値を確認後はドル再下落を予想するが果たして如何に。一目均衡表では、来週初めにも先行帯の雲の上限と下限がクロスし、入れ替わることが確実視されているだけに、そうしたタイミングに合わせて流れの変化を指摘する声も聞かれている。

日米を中心とした各国金融政策への関心が依然として高く、まずは週間を通して発表される米経済指標の内容に要注意だ。とくに28日に発表される3月の消費者信頼感指数を注視している向きが少なくない。また、それとは別に引き続き金融システム不安の行方についても注意を払いたいところだ。実際、週末にドイツのショルツ首相が火消しに動いたものの、24日にはドイツ銀行の株価が一時15%を超える急落をたどるなど、まだまだ油断は禁物だ。

テクニカルに見た場合、ドルは先週末に129.65円まで下落したものの、そこから大きく買い戻される展開。ただ、時間足など短期のチャートは逆型のヘッド・アンド・ショルダーを形成しつつあり、本日東京で示現した高値131.30円台はネックラインに合致する。形が崩れるのか、それともさらにH&Sの形が鮮明化するのか、本日欧米市場の値動きはなかなか重要だ。

本日は米経済指標として、3月のダラス連銀製造業活動指数が発表されるほか、米財務省による2年債の入札などが実施される予定だ。ただ、今週は週内を通して決して材料が少なくないものの、本日の決定事項は若干少なめ。そうした意味ではやや動きにくそうな雰囲気もなくはない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.60-131.90円。ドル高・円安方向は131.65円レベルが最初の抵抗で、超えると一目の雲の下限が位置する131.80-90円を目指す。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる130円半ばをめぐる攻防にまず注目。下回ると少し遠いが先週末安値129.65円が再び視界内に。

足もとはドル戻り局面、ただ一巡後再下落も

ドル円日足

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