ランド円レポート月曜版(23/3/13)

先週のランドは週初から下げ続ける展開でしたが、7日に発表された10〜12月期GDPが前期比で1.3%縮小し、マイナス成長となったことは悪材料でした。

ランド円レポート月曜版(23/3/13)

ランド円レポート月曜版

〇先週のランド円、安値7.26レベル、高値7.45レベルと予想レンジより上下とも5銭ほど低い水準での取引
〇7日発表された10-12月期GDP、前期比1.3%縮小、マイナス成長となり、S&Pが格付け見通しを下げる
〇リスクオフによる金価格上昇は好材料だが、国内の停電が鉱業生産に影響与え鉱山事業に影を落とす
〇南アフリカの国内関連は好材料が無く、基本的には上値が重くなりやすい
〇今週は7.25レベルをサポートに、7.45レベルをレジスタンスとする週とみる

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「レジスタンスを明確に上抜けたのでレジスタンスがサポート、いっぽうでレジスタンスは前週高値圏と見て、7.30レベルをサポートに、7.50レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.26レベル、高値が7.45レベルと、予想レンジより上下とも5銭ほど低い水準での取引となりました。

先週のランドは週初から下げ続ける展開でしたが、7日に発表された10〜12月期GDPが前期比で1.3%縮小し、マイナス成長となったことは悪材料でした。また、長期的材料としては国内の電力問題が影を落としています。このことを背景にS&Pが8日に格付け見通しをポジティブから安定的へと下げました。安定的なのでそれほど不安要因では無いものの良い材料が無い中で、さらなる悪材料とされたようです。金曜に一時的に上昇に転じましたが、NY市場でシリコンバレー銀行の破綻がリスクオフにつながり、ランド円も元の水準へと押して引けました。

ここからの動きとしては、元々の悪材料にリスクオフ材料が加わったことで売り圧力が強まるいっぽうで、リスクオフによる金価格上昇は南アフリカにとっては好材料ではあります。しかし、南ア国内の停電が鉱業生産にも影響が出ていることから、鉱山事業にも影を落としています。ちなみに2022年の停電日数は200日を超え、今年も最長10時間の停電が輪番で毎日続いているそうです。

さて今週ですが、週末に米国当局がシリコンバレー銀行の預金を全額保護すると緊急声明を出したことで、各金融市場は落ち着きを取り戻してきました。しかし、金利上昇による債券の含み損はシリコンバレー銀行に限ったことでは無いでしょうから、今後もしばらくは米国の金融機関だけでなく、主要国の金融市場には注意が必要です。南アフリカの国内関連では、好材料が無いので基本的には上値が重くなりやすいという見方でよいでしょう。

テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。

ランド円レポート月曜版

上昇チャンネルは消して直近2週間の下降チャンネルを引いてみました。基本的に週明けの安値圏と先週末の高値圏との間での推移が考えられます。今週は7.25レベルをサポートに、7.45レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

注:ポイント要約は編集部

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