南アランド週報:『南アGDPの悪化やリスクオフ再燃を背景に約1年2ヵ月ぶり安値圏へ急落』(3/11朝)

南アフリカランドの対円相場は、週後半にかけて、昨年1/6以来、約1年2ヵ月ぶり安値となる7.29円まで急落しました。

南アランド週報:『南アGDPの悪化やリスクオフ再燃を背景に約1年2ヵ月ぶり安値圏へ急落』(3/11朝)

『南アGDPの悪化やリスクオフ再燃を背景に約1年2ヵ月ぶり安値圏へ急落』

〇今週の南ア円、週明け7.49まで上昇後、週後半にかけ安値7.29まで急落
〇S&Pによる南アの見通し引き下げ(ポジティブから安定的へ修正)金・プラチナの軟調等が背景
〇テクニカルには、一目均衡表の雲が垂れ下がってくることや、強い売りシグナルが成立、地合い弱い
〇ファンダメンタルズも南アフリカランドの悪材料が増えつつある
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.20ー7.50

今週のレビュー(3/6−3/10)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は週初7.48円で寄り付いた後、早々に週間高値7.49円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(1)南ア第4四半期GDP(結果▲1.3%、予想▲0.4%、※前期比)の市場予想を下回る結果や、(2)上記1を背景とした南アフリカ経済の先行き不透明感(10種類の産業の内、7種類の産業でマイナス成長を記録)、(3)パウエルFRB議長によるタカ派的な発言(パウエルFRB議長は半期に一度の議会証言で「最新の経済データは予想以上に強く、最終的な金利水準が従来の予想よりも高くなる可能性がある」「データ全体が引き締めペースの加速を正当化すれば、利上げペースを加速させる用意がある」と発言)、

(4)上記3を背景とした米長期金利の急上昇(3/21ー3/22FOMCでの50bp利上げを織り込む動き→リスク回避ムード再開)、(5)格付け大手S&Pグローバル・レーティング社による南アフリカの見通し引き下げ(ポジティブから安定的へ下方修正)、(6)金・プラチナ価格の軟調推移(南アフリカの交易条件悪化懸念)が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.29円(約1年2ヵ月ぶり安値圏)まで急落しました。週末にかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/11午前4時00分現在)では、7.34円前後で推移しております。尚、今週は南アフリカのラマポーザ大統領より内閣改造人事(電力危機解消に向けて新設された電力相のポジションにクゴシエント・ラモクゴパを任命)が発表されましたが、市場の反応は限定的となりました。

来週の見通し(3/13−3/17)

南アフリカランドの対円相場は、週後半にかけて、昨年1/6以来、約1年2ヵ月ぶり安値となる7.29円まで急落しました。上方より一目均衡表の分厚い雲が垂れ下がってくることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「弱気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の下落トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)電力危機に端を発した南アフリカ経済の先行き不透明感(今週発表された南ア第4四半期GDPが予想以上の悪化を示唆→リセッション突入懸念)や、(2)南アフリカの政局不透明感(与党アフリカ民族会議の支持率低下)、

(3)米FRBによる金融引き締め再加速の思惑(南アフリカから米国への資金流出圧力)、(4)南アフリカの格下げ懸念(S&Pグローバル・レーティングは南アフリカの見通しを「ポジティブ」から「安定的」へ下方修正)、(5)金融活動作業部会(FATF)による南アフリカのグレーリスト追加など、南アフリカランドの悪材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南アフリカの1月製造業生産高や1月小売売上高に加えて、南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の主要経済指標(中国2月小売売上高、同2月鉱工業生産、同2月固定資産投資)に注目が集まりそうです。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.20ー7.50

注:ポイント要約は編集部

『南アGDPの悪化やリスクオフ再燃を背景に約1年2ヵ月ぶり安値圏へ急落』

南アランド円日足

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る