尾を引くSVB問題、引き続き波乱要因か(3/13夕)

週明け13日の東京市場はドルが乱高下。トータルで1円を大きく超える変動幅と、なかなか荒っぽい値動きだった。

尾を引くSVB問題、引き続き波乱要因か(3/13夕)

尾を引くSVB問題、引き続き波乱要因か

〇本日のドル円、134円半ばで寄り付いたのち続落、日中安値133円半ばまで一気に1円近く値を下げる
〇そののちVの字型に買い戻され、上下に振れる荒っぽい値動きに
〇バイデン米大統領が米東部時間13日午前8時より「国内銀行危機についての発言」を実施予定
〇ブルームバーグ「SVB破綻を受け、積極的な米利上げ見通しが後退した」と指摘
〇90日線をしっかり下回り、本日東京安値を下回るとなし崩し的なドル安の進行もありそう
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.50-135.20

<< 東京市場の動き >>

週明け13日の東京市場はドルが乱高下。トータルで1円を大きく超える変動幅と、なかなか荒っぽい値動きだった。

週末には、金融危機以来で最大となる「米シリコンバレー銀(SVB)が破綻」し、それにともなう発言やニュースが相次ぐ。一方、それとは別に開催されていた中国全人代で、「習国家主席側近の李強氏の新首相就任」なども伝えられ思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は上方向にギャップ(窓)を空ける格好。134円半ばで寄り付いたのちドルは続落し、日中安値133円半ばまで一気に1円近く値を下げた。しかし、そののちはVの字型に買い戻されるなど、上下に振れる荒っぽい値動き。その後も落ち着きどころを探るなか、結局16時現在では134.45-50円。やや冴えないレベルで推移し欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「SVB破綻」と「中国情勢」について。
前者は、前述した「SVB破綻」にともなう発言やニュースが相次ぐ。たとえば、ブルームバーグは「米当局、破綻のSVBの競争入札を予定」、米紙WPは「米当局、すべての預金保護を検討」、米財務長官が「SVBの預金者ニーズを重視」と発言−−などになる。そうしたなか、「米NY州のシグニチャー・バンクも事業停止」という報道が観測されており、別途思惑を呼んでいたようだ。続報である事件の詳細についてのニュースや、さらなる事件の広がりなどには引き続き要注意。また関連事象として、バイデン米大統領が予定している米東部時間13日午前8時より実施される「国内銀行危機についての発言」を注視している向きも少なくない。

対して後者は、週末にかけて中国絡みで大きく2つのニュースが取り沙汰されていた。ひとつは「中国の仲介」により、イランとサウジが外交関係再開合意とのニュース。中国の外交担当トップ、王共産党政治局員も「対話、平和の勝利だ」と成果を誇示するコメントを発していたようだ。また、それとは別に本13日に最終日を迎えた全人代において、「習国家主席 の3期目続投」が決定されたうえ、前述した「習氏側近の李強氏の新首相就任」や「易人民銀総裁の続投」を決定されていた。なお、一連の中国情勢について、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「とくに驚きはない」としたうえで、米政権は引き続き中国とのオープンなコミュニケーションラインを維持するという認識を示している。

<< 欧米市場の見通し >>

先週半ばまでドル買いの動きが優勢だったドル/円だが、そののち急ブレーキ。先週末そして本日とドルは大きく値を下げている。それを受け、テクニカルにはドル上値トライは仕切り直しどころか雲散霧消した感を否めず、むしろ短期的なリスクは下方向か。移動平均では先週末のNYクローズでは辛うじて維持した90日線割れをうかがう展開となっているほか、安値127.22円を起点とした上昇幅に対するフィボナッチでは38.2%戻しをすでに下回っており、さらなる続落も否定できない。

日米金融政策が引き続き市場の関心を集めるなか、追加利上げ観測すら囁かれていた米金融政策にSVB問題が影を落としている。実際、週末11日付けの日経新聞は「SVB破綻、FRBの利上げに影」と題してレポート。また、ブルームバーグは「SVB破綻を受け、積極的な米利上げ見通しが後退した」と、さらに直截的に指摘していた。動静をいま少し見極める必要がありそうだが、少なくとも目先はドルが買いにくい気がしてならない。

テクニカルに見た場合、移動平均の200日線に上値を阻まれたドル/円は反落に転じると、足もとは一転して下値トライ。134.60-70円に位置する90日線をザラ場ベースで下回る局面も観測されていた。ドルは底割れする可能性もある。90日線を「しっかり」下回り、本日東京安値を下回るとなし崩し的なドル安の進行もありそうだ。133円割れの可能性も考えられる。

本日は目立った米経済指標の発表は予定されていない。しかし、前述したようにバイデン氏による「国内銀行危機」についての発言や、米英豪の首脳会談などが実施される見込みだ。要人発言には要注意かもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.50-135.20円。ドル高・円安方向は135円レベル、そしてその少し上に位置する移動平均の21日線が最初の抵抗。しっかり超えると136円近くまでの戻りも。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値133円半ばをめぐる攻防にまずは注目。下回ると少し遠いがフィボナッチポイントの132円半ばが視界内に。

尾を引くSVB問題、引き続き波乱要因か

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