基本小動き予想、ただ荒っぽい変動にも注意
〇本日のドル円、週末の共同通信報道受け円買い優勢でオープン、136円レベルで寄り付き
〇ドル/円は134.50-138.20のやや大きなレンジを形成、そのなかでの往来相場
〇市場はクリスマスモードで薄商い、思わぬ価格変動に注意
〇本日は米経済指標として12月NAHB住宅市場指数が発表されるが、材料的にはやや少なめ
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.30-136.70
<< 東京市場の動き >>
週明け19日の東京市場はドルが弱含み。週末の共同通信報道をめぐり思惑が交錯したものの、流れはドル安方向だった。
先週末、北朝鮮がまたぞろ日本海に向けてミサイル2発を発射したことが明らかに。ちなみに、当の北朝鮮は「偵察衛星開発の試験実施」と称していたもよう。それとは別に、共同通信が「政府・日銀の共同声明改定の方針を固めた」などと報じたことが話題に。
ドル/円は、前述した共同報道を受けて円買い優勢でオープン。先週末のNYクローズが136.70円レベルだったものが136円レベルで寄り付きと、上値にギャップを空けて取引が開始されている。その後は、松野官房長官が共同報道を否定するなど、情報が錯綜するなかレンジ内で乱高下。ただバイアスはドル安方向に高い状況で、16時現在では135.95-00円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、中国の習指導部は閉幕した毎年恒例の中央経済工作会議で、新型コロナ対策が「新たな段階」に入ると表明。感染対策と経済の両立を目指す「ウィズコロナ」を進め、経済の安定成長を目指す構えを明らかにしている。しかし、共同通信が「医療や生活インフラ関係者の感染が相次ぎ人手不足が深刻化している」と指摘したほか、上海市教育委員会が、小中高校の大半で19日からオンライン授業に切り替えると発表するなど、現場サイドには混乱も観測されていた。また香港紙が「北京市内で新型コロナ関連の死者が急増、病院の遺体安置室が満杯になっている」と報じるなど、果たして「ウィズコロナ」政策へと本当に舵を切れるのか、当局の今後の出方には要注意だ。
対して後者は、プーチン大統領から「世界で大きな変化が起きている。この変化が良い方向に向かうと信じている」と行動を正当化する発言が聞かれたものの、そのプーチン氏がウクライナ軍事作戦の本部を訪れ、作戦の進め方についてロシア軍司令官らに提案を求めたと伝えられるなど、逆に追い詰められつつある。実際、EUは「有人、無人問わず航空機のエンジンも輸出規制の対象に加える」とした追加の対露制裁を発表している。ただ「窮鼠猫を噛む」の諺ではないが、追い詰められたのちの思わぬ反撃を警戒する声も多い。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、ザックリ言えば134.50-138.20円といったやや大きなレンジを形成し、そのなかでの往来相場。ただ、思いのほか値動きは激しい。足もとは15日にレンジ上限を試したのちの反動で下値をうかがう様相を呈しており、135円台後半まで値を崩してきた。このままレンジ下限に当たる前述134.50円割れを試すのか否かにまずは注目だ。市場は名実ともにクリスマスモードで薄商いとなっているだけに、思わぬ価格変動も。
先週、米英欧の中銀がそれぞれ政策金利の引き上げに動くとともに、先行きについての見解を発表している。対して日本は、異次元緩和をしばらくは続けるものの、4月上旬に任期切れとなる黒田日銀総裁勇退と相まって政策転換する公算が大きいといった見方も有力だ。前段で指摘している共同報道「政府・日銀の共同声明改定の方針を固めた」も、そうした思惑のなかのひとつとして考えられている。取り敢えずは松野官房長官が否定をしたものの、今後も折に付け再浮上、マーケットの波乱要因になるものと思われる、。
テクニカルに見た場合、ドル/円は時間足など短期のチャート的には目先の高値と安値をともに示現した感も否めない。すなわち安値は14日の134.52円で、高値は15日の138.18円になる。ただ、本日の東京時間には一時136円割れを示現するなど、再びバイアスがドル安方向に高まりつつあることは気掛かり。移動平均の200日線が位置する135円半ばをしっかり下回ると、名実ともにレンジ下限が視界内に捉えられそうだ。
本日は米経済指標として、12月のNAHB住宅市場指数が発表されるものの、材料的にはやや少なめか。プーチン氏がベラルーシ大統領と会談を実施する予定とも報じられており、広義の欧州情勢そしてユーロの動きにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.30-136.70円。ドル高・円安方向は本日上値に空け、まだ埋め切れていない136.60-70円が抵抗か。窓埋めが完成すれば138円台、レンジ上限を再び目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、135.75-80円レベルが最初のサポートで攻防を注視。下回ると200日線などが意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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