ドル円、下落後に持ち直す展開。本日は日銀金融政策決定会合と黒田総裁記者会見に注目(12/20朝)

週明け19日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、下落後に持ち直す展開。本日は日銀金融政策決定会合と黒田総裁記者会見に注目(12/20朝)

ドル円、下落後に持ち直す展開。本日は日銀金融政策決定会合と黒田総裁記者会見に注目

〇ドル円、週末の岸田政権-日銀の共同声明改定報道等に欧州朝方にかけ135.76まで下落
〇その後は同報道の官房長官による否定、米金利の上昇等に一時137.18まで上昇
〇ユーロドル、独IFO指数の好調等に1.0658まで上昇するも失速、一時1.06割れまで反落
〇ドル円、テクニカルの地合いは弱い、目先は135.65近辺の200日線を下抜けられるか要注目
〇本日は日銀金融政策決定会合と黒田日銀総裁記者会見に注目集まる
〇アベノミクス終了を意識させる発言・報道相次いだことから、黒田総裁会見内容に注意が必要
〇本日の予想レンジ:135.50ー137.50

海外時間のレビュー

週明け19日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。(1)共同通信が週末に報じた「岸田政権が安定的な経済成長を実現するための政府と日銀の役割を定めた共同声明を初めて改定する方針を固めた」「2%の物価上昇目標の達成時期を見直すなどして金融政策の幅を広げる方向で検討する」とのヘッドラインや、(2)上記1を背景としたアベノミクスの終焉観測(来年4/9に就任する次期日銀総裁下で金融緩和の修正が進められるとの思惑→円キャリートレード解消の思惑)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値135.76まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)短期間で下落した反動(押し目買い)や、(4)松野官房長官による「そのような方針を固めた事実はない」との上記1の否定発言、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(6)ロンドンフィキシングにかけてのドル買いフロー、(7)短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値137.18まで上昇しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(8)日銀金融政策決定会合を控えたポジション調整が重石となり、本稿執筆時点(日本時間12/20午前6時30分現在)では、136.91前後で推移しております。

週明け19日(月)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。(1)ドイツ12月IFO企業景況感指数(結果88.6、予想87.5)の力強い結果や、(2)独IFO研究所による「ほぼすべての産業で景況感が改善している」との見解発表、(3)欧州株の持ち直し、(4)リトアニア中銀シムカス総裁による「来年2月の50bp利上げを確信」とのタカ派的な発言、(5)デギンドスECB副総裁による「50bpずつの利上げを続ける」とのタカ派的な発言、(6)スロバキア中銀カジミール総裁による「リセッションに陥っても短期かつ対処可能」とのタカ派的な発言(リセッションを恐れずインフレ抑制の利上げを続けるとの思惑)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0658まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(8)ロンドンフィキシングにかけてのドル買いフローが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0576まで反落しました。もっとも、引けにかけては再び持ち直し、本稿執筆時点(日本時間12/20午前6時30分現在)では、1.0608前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は米FOMCおよびECB理事会のタカ派的な結果を受けて12/15に一時138.18まで急伸しましたが、週明け月曜日は再び135円後半へと軟化するなど荒々しい値動きが続いております(その後再び137円台に回復)。但し、上方に複数のレジスタンスポイントが並んでいることや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(クリスマス休暇前で流動性が低下しているため、値幅が出易い)。目先は135.65近辺に位置する200日移動平均線を下抜けられるか否かに注目が集まりそうです。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、米FRBによる金融引き締め政策の休止観測(先週発表されたFOMCはドットチャートでターミナルレートが引き上げられるなどタカ派的な内容となりましたが、インフレ鈍化局面での利上げ継続は実質金利上昇を通じて米国経済をオーバーキルしてしまう恐れがあるため、市場はドットチャートに記載されたパス通りに利上げは出来ないと予想)や、日銀による金融緩和の終了観測(複数の日銀審議委員が金融緩和終了の可能性に言及している他、週末には共同通信の観測記事も発表)、上記を背景とした日米名目金利差縮小観測とそれに伴う円キャリートレードの解消懸念など、ドル円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。こうした中、本日は日銀金融政策決定会合と黒田日銀総裁記者会見に注目が集まります。

日銀金融政策決定会合では現行政策の据え置きが見込まれていますが、上述の通り、直近1カ月で日銀審議委員や共同通信よりアベノミクスの終了を意識させる発言・報道が相次いでいるため、本日は黒田総裁記者会見の一挙手一投足に注意が必要でしょう。クリスマス休暇期間で流動性が低下していることもあり、仮に黒田総裁よりタカ派的なニュアンスの発言が出てくる場合にはドル円が一気に下落する恐れもあるため、本日アジア時間帯はダウンサイドリスクに警戒したいと思います。

本日の予想レンジ:135.50ー137.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、下落後に持ち直す展開。本日は日銀金融政策決定会合と黒田総裁記者会見に注目

ドル円日足

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