トルコリラ円レポート月曜版(22/10/24)

先週のトルコリラ円は、安値が7.76レベル、高値が8.19レベルと、予想レンジよりも上下ともに振れ幅が大きい一週間となりました。

トルコリラ円レポート月曜版(22/10/24)

トルコリラ円レポート月曜版

〇先週のトルコリラ円、安値7.76、高値8.19レベルと予想レンジより上下ともに振れ幅が大きい一週間
〇金曜のトルコ中銀会合で予想を超える1.5%の利下げが実施され政策金利は12%から10.5%に
〇トルコ中銀は18日に外貨からトルコリラ建て預金への転換を促すトルコリラ安阻止の政策を発表
〇ドルトルコリラはまったく動かず、ほぼ全ての変動がドル円によるもの
〇今週は7.75レベルをサポートに8.20レベルをレジスタンスとする週とみる

まず、先週の振り返りですが、「利下げがコンセンサス通り行われ、その後にトルコリラ売りが入るという流れを想定し、7.80レベルをサポートに、8.10レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.76レベル、高値が8.19レベルと、予想レンジよりも上下ともに振れ幅が大きい一週間となりました。

先週のトルコリラは、金曜のトルコ中銀会合で予想を超える1.5%の利下げが実施され政策金利は12%から10.5%となりました。またトルコ中銀は18日に外貨預金からトルコリラ建て預金への転換を促すことによるトルコリラ安阻止の政策を発表していました。日本とは状況が異なりますが、高いインフレ(前回83.45%)にもかかわらず利下げを続け、おそらくは年内にエルドアン大統領の示す一桁の政策金利実現に向かっている動きはトルコリラ安に向かう懸念材料です。

現在はトルコ国内での外貨建て預金に対する規制などからトルコリラ売りが起きにくいこと、また海外投資家は既にトルコリラを投資対象として見ていないこともあって、悪材料にもかかわらずドルトルコリラはまったく動いていません。ほぼ全ての変動がドル円によるもので、米金利上昇によるドル円の上昇、その後の介入による急落と、トルコ国内でのイベントが多かったにもかかわらず、すべてドル円要因です。

こうなると短期的にはトルコリラ円の分析よりもドル円の分析のほうが望ましいということにもなるのですが、ドル円は乱高下していることから基本的には先週のレンジをベースに考えるというのが妥当ということになりそうです。そうした前提でチャートも見てみましょう。

いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版

先週金曜のレンジが先週一週間のトルコリラ円のレンジでもあり、7.76から8.19です。キリの良い数字で捉えると下値が7.75、上値は8.20と見てよいでしょう。今週はこのレートを使い、7.75レベルをサポートに、8.20レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

最後に為替とは関係ないのですが、トルコの株価指数が急上昇していることが話題になっています。イスタンブール100指数の年初来日足チャートをご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版 2枚目の画像

年初と比較して倍以上に値上がりしています。世界的にもここまで上昇しているものは中々無いのですが、トルコ国内では資産防衛のためにお金の持って行き場が無く、仕方なく国内の株を買っているということのようです。外貨買いも規制されていることによる歪みが国内金融市場にも出ているということですね。

注:ポイント要約は編集部

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