効果は薄くなっているが当局介入に要注意(10/24夕)

週明け24日の東京市場は、ドルが弱含み。早朝に再び円買い介入と思しき動きがあり、ドルが一時急落、効果は長く続かなかったがそれでも上値は重かった。

効果は薄くなっているが当局介入に要注意(10/24夕)

効果は薄くなっているが当局介入に要注意

〇本日のドル円、早朝149.60から145円台まで急落、16時現在149.10-15で推移
〇先週末21日に続き政府・日銀の円買い介入か、ただし効果続かず上値/下値ともに堅い
〇ドル高基調は転換しにくい、米経済指標にらみつつ当局の対応レベルを注視
〇本日は9月シカゴ連銀全米活動指数、10月製造業PMI速報発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.50-150.00、149.65-70レベルが最初の抵抗

<< 東京市場の動き >>

週明け24日の東京市場は、ドルが弱含み。早朝に再び円買い介入と思しき動きがあり、ドルが一時急落、効果は長く続かなかったがそれでも上値は重かった。

先週末は、米露国防相が21日と23日の2度にわたって電話会談を行ったことが思惑を呼ぶ。一方、トラス英首相の後任を決める与党・保守党の党首選で、立候補が取り沙汰されていたジョンソン前首相が、一転して出馬の見送りを決めたことも話題に。
そうした状況下、ドル/円は147.60円前後で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。じりじりと149.60円台まで2円ほど値を上げたが、そこでまたもや不可解な動き。鈴木財務相や神田財務官はノーコメントを貫いたが円買い介入と思しき動きに、短時間のあいだに145円台まで4円近くも一気に値を下げた。ただ下値ではビッドも強く、ドル買いは旺盛。切り返すと、16時現在ドルは149.10-15円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の為替政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、日本の当局は正式に認めていないが、先週末21日の欧米時間に再びドル売り・円買いが実施されたようで、152円近くから144円半ばまで7円を超えるドル下落を一時たどっていた。なお、21日の介入についてブルームバーグではトレーダーらの推計を基に、「300億ドル規模」だったと報じている。そして、そんな21日に継ぎ、前述したように週明け早々にも当局の円買い介入と思しき動きを観測。不意打ちとも言える動きから、一時4円近い下落をたどっていたが、その後の動きをみると下げ幅の9割程度は早々に戻している計算。「継続性」という意味では、介入効果が少しずつ薄れているか。

対して後者は、ウクライナ軍が「ロシアはイラン製ドローンでウクライナ全土を攻撃」などと発表、そして一連の攻撃を受け「エネルギー施設30%に被害が出た」(ウクライナ・エネルギー相)もようだ。そうしたなか、これまでプーチン政権が頑なに「特別軍事作戦」と呼んできたウクライナ侵攻を、キリエンコ大統領府第1副長官が、初めて「戦争」と表現したことが話題に。「戦況は劣勢」とした西側報道が相次ぐなか、国民の結束を改めて呼びかけたものと考えられている可能性もある。

<< 欧米市場の見通し >>

先週末21日の円買い介入を受け、ドル/円の新たな「ドル高シーリングは150円台」といった見方も聞かれるなか、本日東京の早朝にはその150円に急接近する149円半ばから後半でやはり「円買い介入」と思しき動きが観測されていた。このあとも150円に接近あるいは突破した際には、当局が介入に動くことを否定できない。ドル高基調そのものに変化はないものの、ドルの上値は引き続き重い状況が続きそうだ。
週末に、米紙WSJが11月FOMCでも「0.75%の利上げ実施」と報じるなど、日米金利差に加え米政府筋のドル高容認スタンスなどを加味すると、簡単にドル高基調が転換することは予想できない。また、もちろん政府・財務省の介入には当然要注意だが、徐々に効果の継続性が薄れつつあるうえ、そもそも流れを変えるオペレーションではなく、飽くまでスムージングオペだ。発表される米経済指標などをにらみつつ、当局と市場筋の心理戦をしっかりと見極めたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末からの断続的な円買い介入と思しき動きもあり、ドルの上値は重くなりつつあるようだ。151.94円を目指す流れは一旦仕切り直しになったとみる。しかし本日東京を見ると、下がったところは絶好の買い場と捉えられているようで、下値もかなり底堅そう。となると、基本的にドルは緩やかな右肩上がり。再び当局の具体的な対応やレベルが注視されている。

一方、本日は米経済指標として、9月のシカゴ連銀全米活動指数や10月の製造業PMI速報などが発表される予定となっている。ただ、それを除くとやや材料は少なめか。若干動きにくそうな雰囲気も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.50-150.00円。ドル高・円安方向は東京高値の149.65-70円レベルが最初の抵抗。接近あるいは抜けていけば、再び介入警戒感が高まりそうだ。
対するドル安・円高方向は、とくに何もなければ148円後半から半ばまでの下げが精々か。ただ、再び円買い介入が観測されれば、その限りではない。

効果は薄くなっているが当局介入に要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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