ドル円、暴落・暴騰を繰り返す不安定な動き。円買い介入vs押し目買いの構図(10/25朝)

週明け24日(月)のドル円相場は乱高下。

ドル円、暴落・暴騰を繰り返す不安定な動き。円買い介入vs押し目買いの構図(10/25朝)

ドル円、暴落・暴騰を繰り返す不安定な動き。円買い介入vs押し目買いの構図

〇ドル円、週明け朝方149.68まで上昇後145.65まで暴落
〇その後海外時間にかけ149.46まで上昇するも、米製造業PMI不冴えで149円割れ
〇ユーロドル、欧州PMI不冴えで0.9807まで下落後、米PMI不冴えで0.98台後半を回復
〇ドル円、ファンダメンタルズからのドル上昇要因明らかで、下落余地は限定的
〇ファンダメンタルズからのドル買い・円売りが、政府・日銀による為替介入効果を呑み込む動き続くか
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.25ー150.25

海外時間のレビュー

週明け24日(月)のドル円相場は乱高下。先週末金曜日は米ウォールストリート・ジャーナル紙のニック記者によるハト派的な発言や、政府・日銀による円買い介入観測をきっかけに、約32年ぶり高値151.95から146.23まで暴落する動きとなりましたが、週明け月曜日は、暴落に伴う反動(自律反発)や、下がったところを待ち構えていた個人投資家や輸入企業による旺盛な押し目買いに下支えされる形で、アジア時間朝方に、日通し高値149.68まで上昇しました。しかし、心理的節目150.00をバックに伸び悩むと、政府・日銀による連日の介入観測(実弾介入が行われたか否かは不明)や、短期筋のロスカット(反発局面でロングを構築していた短期筋の損失覚悟のポジション手仕舞い)が重石となり、日通し高値を記録したわずか10分後に、先週末金曜日に記録した安値146.23をも下回る日通し安値145.65(10/11以来の安値圏)まで暴落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、個人投資家や輸入企業の押し目買いが支えとなり、欧州時間朝方にかけて、一時149.46近辺まで反発する場面も見られました。米国勢参入後は、米10月製造業PMI(結果49.9、予想51.1)や、米10月サービス業PMI(結果46.6、予想49.5)の冴えない結果や、政府・日銀による警戒感が重石となり、本稿執筆時点(日本時間10/25午前5時00分現在)では、148.96前後で推移しております。

週明け24日(月)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間早朝にかけて、日通し高値0.9900まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが4.13%から4.21%へ上昇)や、ドイツ10月製造業PMI(結果45.7、予想47.2)および、ユーロ圏10月製造業PMI(結果46.6、予想47.7)の冴えない結果が重石となり、欧州時間朝方にかけて、日通し安値0.9807まで反落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、米経済指標(米10月製造業PMIや、米10月サービス業PMI)の冴えない結果や、米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間10/25午前5時00分現在)では、0.9873前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は先週末金曜日に記録した高値151.95をトップに反落に転じると、昨日は一時145.65まで暴落しましたが、一巡後は結局149円前後まで持ち直す力強い動きとなりました(ドル円は先週末金曜日以降、151.95→146.23→149.68→145.65→149.46→148.38→148.95と乱高下を繰り返しながらも反発力を維持→押し目買い意欲の強さを再確認)。ドル円相場が約32年ぶり高値圏から反落したきっかけは、米ウォールストリート・ジャーナル紙のニック記者(Fedウォッチャー)による「11月FOMCで75bpの利上げを決定し、12月FOMCでは50bpの利上げを議論する公算が大きい」とのハト派的な見解や、タカ派で知られるサンフランシスコ連銀デイリー総裁による「利上げペースを落とす時期が近づいている可能性がある」とのハト派的な発言に加えて、政府・日銀によるドル売り・円買い介入(実弾介入が入ったか否かは不明ながら、日銀が昨日公表した当座預金残高の見通しから推計すると10/21の介入規模が5.5兆円に達する可能性あり)の組み合わせが背景にあったと考えられます(米利上げペース鈍化期待に伴うドル売り圧力と、政府・日銀による為替介入に伴う円買い圧力の組み合わせ)。

とはいえ、日米金融政策の方向性の違い(利上げスタンスを続ける米国と、緩和スタンスを続ける日本との金融政策格差)や、それに伴うキャリートレードの活発化(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、米政府・米当局によるドル高容認姿勢、本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ファンダメンタルズ的なドル円上昇要因が明らかであるため、ドル円の下落余地は限定的と考えられます。事実、昨日も神田財務官による「24時間365日、適切な対応を取る」との発言や、鈴木財務相による「過度な変動があるとき必要な対応をとる」との発言、黒田日銀総裁による「急速な円安が輸入物価の上昇をもたらしている」との発言、岸田首相による「投機による過度な変動は容認できない」との発言など、政府・当局者より強い牽制発言が見られましたが、ドル円はすぐに値を戻す「異常なほどの力強さ」を見せました。

市場参加者の間では、政府・日銀による為替介入は「絶好の押し目買いのチャンス」と信じられているため、当面はファンダメンタルズに着目したドル買い・円売りが、政府・日銀による為替介入効果を呑み込む動きが続きそうです。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は、米10月コンファレンスボード消費者信頼感指数や、米10月リッチモンド連銀製造業景況指数、米2年債入札などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:147.25ー150.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、暴落・暴騰を繰り返す不安定な動き。円買い介入vs押し目買いの構図

ドル円日足

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