トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値7.74、高値7.98レベルと予想レンジよりもトルコリラ高で推移
〇目立つトルコリラ材料無く、クロス円全般に広がる円独歩安の流れが再び始まった展開
〇トルコの金利の方がはるかに高く、本邦個人投資家によるトルコリラ買いも
〇20日に中銀の政策金利発表、更なる緩和実施ならトルコリラへの売り圧力は強まる
〇今週は7.80レベルをサポートに、8.10レベルをレジスタンスとする週とみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「前週のレンジをベースに若干の微調整を加え、7.65レベルをサポートに、7.85レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.74レベル、高値が7.98レベルと、予想レンジよりもトルコリラ高で推移した一週間となりました。
先週のトルコリラは、ドルトルコリラが18.550を中心に横方向のもみあいで動意薄だったのに対して、ドル円が週を通して円安となった動きからトルコリラ円もトルコリラ高となりましたが、目立ったトルコリラ材料があまり無い中で、クロス円全般にも広がっている円独歩安の流れが再び始まったという展開です。トルコリラよりも弱い日本円というのも納得いかないところはありますが、緩和政策を取っていてもトルコの金利の方がはるかに高いことから本邦個人投資家によるトルコリラ買いも出ているようです。
今週はトルコリラにとって最大の注目材料であるトルコ中銀の政策金利発表が20日にあります。エルドアン大統領による緩和プレッシャー発言(年内に1桁)もあり、コンセンサスでは1%利下げが実施され12%から11%となっています。しかし、トルコのCPIは直近で更に上昇し、今月発表された9月CPIは83.45%と24年ぶりの酷いインフレ状態です。高いインフレの下で更なる緩和を実施となると、さすがにトルコリラへの売り圧力は強まると見られます。
問題はその時の円相場がどうなのかということになりますが、トルコリラ円も8円の大台を目前にして、大台を上抜けてくると7月5日以来の大台乗せとなり、ことトルコリラ円に関しては底堅い推移を続けることとなる可能性があります。
テクニカルには今週は日足チャートから見て行きます。
7月5日高値8.08と8月安値を起点に考える上昇N波動の78.6%(61.8%の平方根)エクスパンション8.11が重なる水準にあることから現状はテクニカルには8.10レベルをターゲットとしやすい流れです。トルコ中銀の利下げ予想がこのテクニカルな方向性とは逆ですから、その点を考えながらいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
かなり狭いですがトルコリラ円に上昇チャンネルを引いてみました。このチャンネルから出たとしてもドル円での円安が続く限りこのチャンネルを中心とした上昇相場を続けやすい流れです。ただ注意すべき点としては中銀利下げによるトルコリラ売りや、政府日銀による円買い介入は常に気にすべき点でしょう。
今週は利下げがコンセンサス通り行われ、その後にトルコリラ売りが入るという流れを想定し、7.80レベルをサポートに、8.10レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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