ドル高基調は変わらず、ただ上値も重いか
〇本日のドル円、148円台後半を中心としたレンジ取引、高値148.80までで明確な方向性に欠ける
〇先週末は148.86到達、今週内に150円トライの可能性も
〇調整的な下押しには要注意、9/22安値以降8円超えるドル高が進行中
〇米大統領は事実上の「ドル高容認」発言、本邦勢の口先介入相次ぐもドル高・円安基調は変わらずか
〇本日は米10月NY連銀製造業景況指数、バンカメ等決算発表を予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.00-149.20、ドル高・円安方向は148.86円が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は148.40レベルがサポート化
<< 東京市場の動き >>
週明け17日の東京市場はドルが強保ち合い。日本の要人から口先介入が相次ぐなか、148円台後半を中心とした高値圏での推移をたどっている。
先週末は、バイデン米大統領が記者団に対して述べた「ドル高を懸念していない。米国経済は力強い」発言が物議を醸す。そうしたなか、16日から始まった中国共産党への関心も高く、習国家主席が台湾情勢についてコメントした内容が思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は148円半ばで寄り付いたものの、ドルは底堅い。下値は148.40-45円と下げ渋った。しかし一方で上値も重く、ドル高値は148.80円レベルまで。結果、148円台後半を中心とした30-40ポイントのレンジ取引で、明確な方向性も乏しかった。16時現在では148.70-75円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日米為替政策など」と「英国情勢」について。
前者は、週末にイエレン米財務長官が記者会見で「市場で決定される為替レートがドルにとって最良の体制であり、それを支持する」とコメント。さらに、前述したバイデン発言も加わり、市場では「米国はドル高容認スタンス」との認識が高まった。その一方、本邦勢からは若田部日銀副総裁「最近の為替変動は急激かつ一方的すぎる」、神田財務官「為替の過度な変動に対してしっかりと対応」、鈴木財務相「投機的な動きあれば断固たる措置を取る」、岸田首相「投機が絡んだ急激な為替変動は好ましくない」−−などといった口先介入が相次ぐも、少なくとも円安の流れが止まったとは言えない状況だ。
対して後者は、先週末の14日にトラス英首相が、クワーテング財務相を解任すると同時に、法人税減税策を撤回すると表明したことが大いに話題を呼ぶ。しかし、これで一連の騒動が終わったわけではなく、例えばスカイニュースは「ハント新財務相が、一部増税の可能性を指摘した」と報じ禍根の残っていることを示唆したうえ、英紙デイリー・メールはもっと直截的に「英与党議員ら、トラス首相更迭へ不信任案提出の構え」と伝えている。まだまだ予断を許さない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は先週末148.86円まで上昇。テクニカルに見た場合、ドルの上値はまたもや青天井状態となるなか、心理的な上値メド150円もすでに1円強へと迫ってきた。本日ということではないにせよ、週内のどこかではトライあるいは抜けていく可能性がある。ただ、3週間で8円強もの上昇をたどっているだけに、常に調整リスクが付きまとうことは頭にとどめておきたい。
材料的には、もともとの金利差やファンダメンタルズ格差といった要因に加え、前述したようにバイデン米大統領などから事実上の「ドル高容認」発言が聞かれており、市場筋のあいだでドル買い・円売り安心感が強いことは間違いないだろう。少なくとも、調整の動きはともかく、ドル高基調そのものが転換することは予想できない。今年だけですでに30円以上も動いているドル/円だが、発表される米経済指標などの内容如何ではまだまだ相場が落ち着かず、波乱の余地もありそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は1990年8月以来の高値圏、148円台で推移している。当局の介入警戒感などが食い止めている面もあるが、リスクはドル高で方向性としては150円を目指す展開か。
ただ、前回に介入を実施した9月22日安値以降の相場を見ても、8円を超えるドル高が進行下、明確な調整は一度も観測されていない。そろそろしっかりとした調整的な下押しにも一応要注意だ。
本日は米経済指標として、10月のNY連銀製造業景況指数が発表されるほか、バンカメなどによる決算発表も予定されている。また23日ごろまで続くとみられる中国共産党大会を警戒する向きも依然として存在する。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.00-149.20円。ドル高・円安方向は本日東京も近い先週高値の148.86円が最初の抵抗。抜けると149.30-40円が次のターゲットか。
対するドル安・円高方向は、短期時間足ベースなどでは148.40円レベルがサポート化しつつあるようだ。下回ると148円前後を目指す。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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