ドル高基調継続するも、円買い介入警戒強まる
〇本日のドル円、日銀会合の結果を受け続伸、145円台へのせる
〇日銀は金融緩和策の維持を発表、日銀総裁「日本がマイナス金利をやめる必要はない」
〇神田財務官が「適切な対応、ずっとスタンバイの状況」と発言、市場介入の実施を示唆
〇本日はスイスや英国、トルコ、南アフリカなどの金融政策発表に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.00-146.50
<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場はドルが一段高。ついに145円台乗せを達成し、本稿執筆時でも145円台を維持している。
ドル/円は寄り付いた144.00-05円を日中安値に右肩上がり。通常であれば昼ごろが予定されている日銀会合の結果発表をにらみ上げ渋る局面も見られたが、実際の会合結果を受けてドルは改めて続伸し、その勢いのまま145円台へと乗せてきた。そののち、市場介入への警戒感などから1円程度アッサリと値を崩したが、スグに持ち直すと再び145円台へ。むしろ逆行高から上値を拡大する展開となり、16時現在では145.60-65円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「各国金融政策」について。
前者は、プーチン大統領による「軍動員令への署名」報道に対し、世界各国から大ブーイング。米英仏の要人や報道官だけでなく、ボレルEU外相やNATO事務総長などからも批判コメントが発せられていた。また、プーチン氏が別途発した「核兵器の使用も辞さず」とのコメントについて、ウクライナ大統領は「彼が核兵器を使用するとは思わない。世界が許さないだろう」と述べたと伝えられていた。基本的にはその通りなのだが、もはや何が起こっても不思議はない。
対して後者は、一時は「1.0%の利上げ」見通しも取り沙汰された米FOMCだが、結果としてブルームバーグや米紙WSJなどが予想した通り「3会合連続となる0.75%の利上げ」を発表している。さらに、年内に同規模の利上げを少なくとも1回は実施する可能性を示唆しており、先行きについても強気スタンスの維持が観測されていた。一方、それに続く格好で本日昼ごろ日銀は全会一致での「金融緩和策の維持」を発表。また、日銀総裁からは「当面は金利を引き上げない」「日本がマイナス金利をやめる必要はない」などとした、先の米国とはあまりに対照的なコメントが聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日の米FOMC前後は、予想通りというべきなのか激しい乱高下を経たのち結果としてドル高・円安へ。そして、本日東京ではドルが大幅高をたどると145円台へと「しっかり」乗せてきた。日本当局のレートチェックだけでなく、実弾介入もさすがに気になるところだが、リスクは間違いなくドル高・円安方向。1998年高値147.64円まで残り2円程度と完全に射程圏内へと捉えられている。
市場筋による各国金利情勢への関心が依然として高いなか、日米については前述したように非常に対照的な結果で、それが足もとのドル買い・円売りに繋がっていることは間違いない。神田財務官が「適切な対応、ずっとスタンバイの状況」などと発言し、市場介入の実施を示唆。レート次第では実際の介入に動く可能性もあるが、それと効果は別問題だ。ファンダメンタルズに変化がない限り、円安という流れそのものを変えることはかなり難しいと言わざるを得ない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京時間に年初来高値を更新し145円台乗せ。そして、その後もドルは続伸し、本稿執筆段階では145.60-65円と145円台後半へと達している。さすがにまだ少し離れてはいるが、それでも1998年高値147.64円が現実的な上値メドとして意識され始めた。上昇スピードが速すぎることだけは気掛かりながら、リスクは間違いなくドル高方向。勢いからすると、到達は意外に早いとみる参加者も少なくないようだ。
本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や9月のカンザスシティ連銀製造業活動指数が発表される予定となっている。ただ、市場の関心は日米に続く各国の金融政策発表か。スイスや英国、トルコ、南アフリカなどが発表予定。それぞれ関連通貨の動きにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.00-146.50円。ドル高・円安方向は心理的な抵抗146円、そして昨日の4本値を参考にしたピボットテーブルのHBOPにあたる146.10円レベルの攻防にまずは注目。
対するドル安・円高方向は、本日東京で超えたあとほぼ下回っていない145円レベルの維持が注視されている。ザラ場もさることながら、NYクローズで上回れるのかへの関心も高い。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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