材料的にも、ユーロの動きをより注視か
〇本日のドル円140円を下回らず、140円前半を中心に底堅く推移
〇ロシアの「ノルドストリーム1」稼働停止延長を発表、供給再開されず
〇8日にECB政策金利発表、欧州の金融政策に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.90-140.90
〇ドル高円安方向は先週高値140.80を抜ければ141.20-25などが意識される
<< 東京市場の動き >>
週明け5日の東京市場はドルが小じっかり。先週末に記録した戻り高値を更新することは出来なかったが、一度も140円台を割ることなくドルは強保ち合い。
先週末は、ロシアのガスプロムが「3日朝まで」としていた欧州向けガスパイプライン「ノルドストリーム1」の稼働停止を延長すると発表したことが話題に。一方、中国四川省の成都市がロックダウンを延長すると発表したことが、サプライチェーンに与える影響などとともに懸念されていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた140.10-15円を安値にドルは底堅く推移。上値も重く高値は140.55円レベルまでとなったものの、下値が着実に切り上がっており、結局一度も140円を下回ることは出来なかった。140円前半を中心とした往来相場をたどるもドルは非常に底堅い。16時現在、ドルは140.40円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、IAEAのグロッシ事務局長が、ザポロジエ原発にIAEA調査団の専門家2人を常駐させると表明したことが安心感を醸すも、専門家チームが現地入りするなか原発を舞台にした戦闘の継続が観測されていた。また実際に、原発5号機が再び停止する局面もあったという。引き続き予断を許さない。一方、点検により操業停止となっていた「ノルドストリーム1」は、前述したように期限切れとなる3日を控えても供給は再開されず。ちなみにロシアサイドは、「ガスタービンの保守における技術的な問題が見つかった」と主張。供給再開の時期も明らかにしていない。
対して後者は、米国務省が、台湾に対する11億ドルを超える武器売却を承認したことに、早々に中国サイドが強く反発。米中関係を「著しく損ねる」行為であり、撤回しなければ「対抗措置」を取るなどした警告を発している。また米中関係でいえば、米通商代表部(USTR)が、2018年に発動した中国への制裁関税を継続すると発表したことも一部で話題になっていたようだ。なお、それとは別に中国四川省の成都市がコロナ対策としてロックダウンを延長したことが様々な思惑を呼ぶ。
<< 欧米市場の見通し >>
先週のドル/円相場は、連日下値を切り上げる展開で、週末にはついに140.80円まで上値を伸ばしてきた。本日東京でもドルは140円台前半を中心とした強保ち合い。ドル高基調はまったく変わっておらず、ドル高再燃には要注意だが、本日は米国とカナダ、北米市場が休場となることもあり、やや動きにくい雰囲気も。明日以降の動意に向けた小康状態、時間調整と思しき動きをたどる可能性もある。
引き続き各国の金利情勢に対する関心が高いなか、今週は欧州の金融政策にまずは注目。具体的には、8日に予定されているECB政策金利発表を警戒する向きは少なくないようだ。それ以外、日米の材料がまったくないというわけではないが、短期的には英国などを含めた広義欧州に関する材料が目に付くだけに、為替市場においてもポンドやユーロの動きにより注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は1日に24年ぶりの140円台を回復して以来、140円を大きく下回ることがなくなっている。買い遅れ筋などのビッドもかなり切り上がってきている。その反面、ドルの明確な上値メドはしばらく存在しないところが気掛かりで、先週末に記録した高値140.80円を超えれば141円乗せ。そしてさらなるドル高進行と、なし崩し的な動きをたどっても不思議はない。
本日は目立った米経済指標の発表などはとくに予定されておらず。しかし、前述した「英保守党党首選の結果公表」やOPECプラス閣僚級会合など、材料は多い。ちなみに後者は「生産枠据え置き」との見方が有力だが、ロイターでは「景気減速懸念を受けた価格下支えのために小幅な減産も排除していない」と報じていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.90-140.90円。ドル高・円安方向は先週高値の140.80円が最初のターゲット。抜ければピボットなどを参考にした141.20-25円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、前述したようにここ最近しっかり割り込んだことのない140円レベルをめぐる攻防にまずは注目。ただ、割り込んでも取り敢えずは底堅そうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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