豪州政策金利(キャッシュ・レート・ターゲット)の予想(22/9/5)

明日9月6日火曜日、定例の豪州政策金利が発表されます。

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豪州政策金利(キャッシュ・レート・ターゲット)の予想(22/9/5)

豪州政策金利(キャッシュ・レート・ターゲット)の予想

(2022年9月6日火曜日東京時間13時30分公表予定)

明日9月6日火曜日、定例の豪州政策金利が発表されます。今回の予想は以下です。

豪州準備銀行(中銀)政策金利予想(9月5日12時00分現在)
  現行のOCR 1.85%を2.35%へ0.50%の利上げ(予想レンジは2.10〜2.35%)

前回の8月会合は予想通り、0.50%のOCR引き上げを実施しました。今回9月も前回と同様の利上げ幅で、OCRが2.35%の予想です。大方は0.50%上げですが、予想レンジは0.25%〜0.50%の上げ幅になっています。予想の要因として、
@ 前回議事録(下記ご参照)では、インフレを2〜3%へ回帰させることが優先順位としており、2Q・CPIが年率6.1%、コア4.9%と高く、更に中銀の2022年見通しでは7.75%になっているので、まだインフレ沈静化にはほど遠く引き締めが必要であること。
A 労働市場は依然としてタイトで、失業率の更なる低下が予想されること。
B 一方で、最近の経済指標が軟化しており、不動産価格の下落により、これまで3回連続で0.5%利上げを実施したが、今回は一度0.25%に下げて様子見し、次回以降の会合で調整する可能性を指摘している向きもあります。
C 下表にある様に今回も先行き予想は引き締め継続ですが、予想レンジは拡大しているものの、中間値はほとんど変わらず、年内の利上げ打ち止めも変わっていません。この辺りが米国との違いになっているようです。

下記はエコノミストのOCR見通しになっています。

豪州政策金利(キャッシュ・レート・ターゲット)の予想

前回7月予想と比べ、0.35%上昇しています。引き続き、今回の議事要旨内でのインフレ見通しと経済見通しがどの様に変わるかをみます。

豪州と米国の政策金利推移

豪州と米国の政策金利推移

今回0.5%利上げで8月時点の米国と並ぶことになります。一方、FRBは9月21日の会合で、現状では0.50〜0.75%の利上げ予想になっています。

尚、前回8月の記者発表要旨の一部抜粋は下記です。

(金融政策決定)

本日の会合で、委員会はキャッシュレート(OCR)の目標を50ベーシス上げ1.85%への引き上げを決定した。同時に為替決済残高に関しては50ベーシス上げ、1.75%に引き上げた。

委員会は、経済の安定を続けながら、この先のインフレを2〜3%に回帰させることに高い優先順位を置いている。このバランスを達成するための道のりは狭く、少なくとも世界的な進展の為ではあるが、不確実性に覆われている。世界経済成長の見通しは、一層高まるインフレによる実質所得への圧力、ほとんどの国での金融引き締め、ウクライナへのロシア侵攻あるいは中国でのCovid封じ込め政策により下がっている。

豪州でのインフレは1990年代以降では最も高くなっている。総合インフレは6月末四半期で年率6.1%、コアは4.9%だった。世界的な要因がインフレ率上昇の大部分を説明している。しかし、国内要因もまたその役割を果たしている。強い需要・タイトな労働市場・経済の幾つかの部門での稼働率の制約で、より幅広い価格上昇圧力がある。また今年の洪水も一部の価格に影響を与えている。

インフレは今年末にはピークになり、その後は2〜3%の目標に向けて下がってくると予想している。予想されるインフレの緩やかな流れは世界の供給サイドで進行中の改善、商品価格の安定、あるいは利上げによる影響を反映している。中期的なインフレ期待値は十分に留まっており、この状況が続くことが重要である。CPIに関する中銀の予想中央値は、2022年で7.75%、2023年には4%を少し越え、2024年に約3%とみている。

豪州経済は引き続き今年は力強い伸びを続けると予想している。その後の成長ペースは鈍化する。雇用は力強く伸びており、消費支出は底堅く、企業投資の上振れが進行中である。国民所得もまた、史上最高の水準である交易条件の上昇により押し上げられ、中銀のGDP予想は2022年に3.25%、その後の2年間は各々1.75%の伸びとみている。
(中略)
不確実性の主な要因は引き続き家計消費の行動である。より高いインフレや金利が家計予算に圧力を掛けている。消費者信頼感もまた下がり、住宅価格はここ数年の上昇後、幾つかの市場で下がっている。(一部略)

今日の利上げは豪州で金融正常化への更なるステップである。ここ最近の利上げはインフレを目標に引き戻し、豪州経済においてより安定的な需給バランスを作り出すために必要である。委員会はこの先も豪州の金融正常化のプロセスに向けて更なるステップを採ると予想している。しかし、まだ事前に設定された道のりではない。将来の利上げ幅やタイミングは今後入手するデータ、あるいはインフレや労働市場に関する委員会の査定により導かれる。委員会は豪州内のインフレが時間経過と共に目標に戻ることを確実にするため、必要なことを行うと委ねられている。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(出所:豪州中銀HP

豪ドル米ドル相場はシカゴポジション350を御参照願います。現状の弱い豪ドルで0.25%利上げに留まれば、豪ドル売りになり易く、仮に0.50%利上げした場合に、買い戻しされるのか、出尽くしで売られるのを見たいと思います。

尚、次回会合は2022年10月4日(火曜日)に予定されています。
(9月5日15:00、1豪ドル=0.6780米ドル)           
(以上)

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