豪州株式・NZ株式及び為替の動き46
豪州ドル対NZドル相場
前回のレポート(21年12月24日付:1豪ドル=1.0605NZドル)以降、2週間経過後の1月10日に1.0560の豪ドル底値をつけてから、この6ヶ月間はほぼ一本調子の豪ドル高となり、6月8日に1.1170の高値をつけ、その後はやや調整気味に推移しています。
下表は豪ドルの安値と高値をつけた前後3〜4回分のシカゴネットポジションの枚数を記しています。この間のシカゴポジションは、豪ドルショートを半減させ、NZドルショートを積み上げました。そして、直近6月14日にNZドルは大きく減らしています。
オセアニア通貨の括りでいけばまだ豪ドルのショート枚数が多く、引き続きポジション調整が起きれば豪ドル高NZドル安が想定されます。株価動向などを見て今後3ヶ月以上の相場推移を見たいと思います。
さて、前回12月のレポートで、
「(前略)…実際のローソク足から見ると、抵抗線としては1.0650〜60が比較的強く、ここを越えれば1.0910方向のトライが見えてきます。この間の抵抗線としては1.0710、1.0750、1.0820〜40の順にあり、最後が強くなっています。もし1.0650を越えることが出来ずに調整入りになると、サポートとしては1.0560〜70、1.0510、1,0450、1.0400、1.0370、1.0300〜10の順にあります。最後を月足で切ると、終値ベースでは下抜きますので、ディセンディングトライアングルの下値1.0250と1.0000が重要なサポートになります。」
としましたが、相場は最初のサポート1.0560〜70で止まり、そのまま豪ドル高になりました。1.0650〜60の抵抗線を上抜け、1.0910方向としましたが、この抵抗線も越えています。相場は大きなうねりとなるか株価指数から見ます。
下図(1)の2011年からのチャート(月足終値ベース)では、依然として2013年以降の青い3角保合い(レンジは1.03〜1.1150辺り)の上限近くまで来ています。ところが、実際の相場では、ローソク足の月足で、下ヒゲを結んだ横サポート1.000と2013年高値からの抵抗線が1.1030付近にあり、1.0000〜1.1030の緩やかなディセンディングトライアングルを形成していますが、先月と今月は月中でヒゲだけ上抜けています。現在のスポットが丁度このラインに掛かっており、6月末終値で上抜けるか否かの分岐点にいます。上記の月末終値ベースではまだ抵抗線抜けを満たしていないので、1.12以上の月末終値で上抜けとみます。まだ1.1030〜1.1150ゾーンは騙しの範囲内として捉えたいと思います。オレンジ色の豪州株対NZ株は、2020年第4四半期に底打ちしてから豪州株>NZ株のトレンドを継続しています。資金の流れが豪州に向かっているので、まだ豪ドル堅調となります。
(1)為替(青)と相対株価指数比(オレンジ):(2)下段は2015年2月からの拡大図
(1)2011年以降
(注:(1)と(2)チャートは直近までの数値を加えたものになっています。相場は全て月末終値で記載していますので、実際の相場での高値・安値のヒゲ部分はありません)
(2)2015年以降
しかしながら、拡大した上図(2)は、前回終値ベースで1.0350〜1.0910レンジの3角保合いを形成していましたが、今年4月に上抜きしています。そして豪ドル一段高狙いになり、(1)の抵抗線レベルで揉み合っている形です。
(2)を見る限りは現状で月足ベースで、1.1170〜80、1.1280〜90方向狙いに入っています。下値は1.0940〜50サポートが強く、これを維持できれば、上値トライ先行にいます。もしサポートを切れればチャート(1)の抵抗線を守り切った形になり、豪ドル高からの調整入りになります。週足ベースでは2021年11月底値からの豪ドル高トレンドラインが1.0900〜1.1250にあり、この間の1.0950にも強いサポートがあります。上値は1.1100〜10、1.1130、1.1170〜80の順に抵抗線あり、最後越えればトレンドライン上限の1.1250狙いに入れます。
以上より相場は2015年以降の3角保合いを上抜けて豪ドル高NZドル安の流れになっていますが、2011年以降の抵抗線ゾーンで最後の確認が出来るか否かの分岐点にいます。
金利面ではまだNZ>豪州ですが、利上げ幅やタイミングが似てきているので、2国間の金利差が大きく拡大したり、縮小したりしないので、経済規模や両国間の株式市場のトレンドから豪ドル優位と思われます。
(6月22日13:20現在、1豪ドル=1.1045NZドル)(前回は12月24日掲載)
オーダー/ポジション状況
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