NY休場もあり、基本はレンジ取引か
〇本日のドル円、NY休場も影響し127円挟みの一進一退に終始
〇黒田日銀総裁「急速な円安は経済に望ましくない」と発言するも金融市場への影響は限定的
〇不安定な米株価などが解消されれば為替市場においても再度ドル高が進行する可能性も
〇本日はウォラー米FRB理事の講演や、EU臨時首脳会議などに注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは126.80-127.70
<< 東京市場の動き >>
週明け30日の東京市場はレンジ取引。NY休場も影響したのか、127円挟みの一進一退に終始している。
先週末、ロシアが「ウクライナ東部の要衝リマンなどを制圧した」ことを明らかにするなか、日米韓外相が「北朝鮮のミサイル発射を非難」する共同声明を発表したことも話題となっていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は127.05-10円で寄り付いたものの、積極的な売買は手控えられた。参院予算委に参加した黒田日銀総裁から「急速な円安は経済に望ましくないが現在は改善」、「緩和を粘り強く続け経済をしっかり支える」といった発言が聞かれたが、金融市場への影響は限定的にとどまっている。16時現在ではほぼ寄り付きと同じ127.10-15円で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、戦闘に関しては前述した「ウクライナ東部の要衝リマンなどを制圧」との発表に加え、ロシア独立系メディアが「首都キーウ再攻撃の可能性を検討中」と報じ物議を醸していた。また、それとは別にロシアによる国債利払いや、小麦を中心とした穀物輸出停滞に関するニュースが相次いでいる。なかでも後者は、ウクライナ大統領から「港湾封鎖で穀物2200万トンが輸出出来ていない」との発言が聞かれた反面、プーチン氏は「ロシアの責任を指摘するのは根拠がない」、あるいは「穀物輸出検討には米欧の制裁解除が必要」などと強気の主張をしていたという。
対して後者は、産経新聞が「日本の海洋権益阻止へ、中国が複数の科学論文発表」と報じるなど、「『科学』の力による現状変更の試み」の動きが観測されたうえ、フィジーなど太平洋諸島を訪問中の王外相は積極的な会談を繰り返し、陣営への積極的な取り込みを図っていることが確認されている。そうしたなか、北京市政府は、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかっていることから、対策を一部緩和すると発表。金融市場でも好感する向きが多い。
<< 欧米市場の見通し >>
足もとのドル/円はレンジ取引の様相。24日にそれまでのレンジ下限を下回り126.36円まで下値を広げたものの、続かなかった。以降はおむね127円挟み、126.50-127.50円といったなかでの一進一退で方向性を欠いている。次なる動意が期待されるものの、本日はNYがメモリアルデーで休場となることもあり、そうした動きは明日へ持ち越しか。油断は禁物だが、基本的には狭いなかでのレンジ取引がいましばらく続く見込みだ。
日米金利差に関し、黒田日銀総裁は前述したように本日東京で「緩和を粘り強く続け経済をしっかり支える」と発言。目新しさこそなかったが、従来からの緩和スタンス継続が再確認されたと言えそうだ。そのため、一段のドル高を躊躇させている米ファンダメンタルズの悪化懸念や、不安定な米株価などが解消されれば、為替市場においても再度ドル高が進行する可能性を否定できない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は足もとレンジ取引で方向性は乏しい。また、そのレンジは先週末から本日にかけて少しずつ収斂を高めてきた感がある。保ち合いの収斂は嵐の前の静けさ、次なる動意に向けた起爆剤となることも少なくないだけに、足もとはさることながら、仮にレンジ放れとなった際には大きく値の飛ぶ危険性もある。次なる動意に向けた備えをしっかりと行っておきたいところだ。
本日はNYがメモリアルデーで休場となることもあり、米経済指標の予定がなく材料は通常よりもやや少なめ。ただ、ウォラー米FRB理事の講演や、EU臨時首脳会議といった要因が予定されており、それらには一応の注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは126.80-127.70円。ドル高・円安方向は26日高値に当たる127.58円が抵抗に。上抜けると128円台回復も。
対するドル安・円高方向は、前回安値にも合致する126.36円がなかなか強いサポート。また、その手前である126.80円前後もサポートとして育ちつつあるようだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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