今週も戻り売り125円台を目指すか
〇先週のドル円、リスクオフ相場で前週に年初来高値をつけた後の調整局面入り
〇今週も先週同様に大きな材料が無い中で方向感がはっきりしない一週間となりそう
〇横方向のもみあいか、もう一段の調整を挟む可能性が高いと言える
〇引き続き米国株式市場は上値の重たい展開で短期的にはドル買いに動きにくい状況
〇今週は125.50レベルをサポートに128.50レベルをレジスタンスとする流れとみる
今週の週間見通し
先週のドル円は前週に年初来高値をつけた後の調整局面入りとなりました。日米金利差を背景とした長期的なドル高・円安の流れは変わらないもののウクライナ問題による欧州の景気後退懸念、中国ではロックダウンによる景気後退懸念など、短期的には株式市場にとっての悪材料が多く、先週はNYダウが一時1000ドル安となる日も出てくるなど、株式市場の弱さを円買い材料とする以前のリスクオフ相場に戻った感がありました。
これは金融市場を取り囲む状況に大きな変化が無い中で、目先の短期材料に株式市場が反応し為替市場もそれに追随するといった展開ですが、今週も先週同様に大きな材料が無い中で方向感がはっきりしない一週間となりそうです。月曜には日米首脳会談があり中国やロシアの問題についての協議内容によっては改めて地政学的リスクを背景とした円売りの動きも考えられますが、まだ円売りの流れが再開するには時間的に早いと思います。
日柄的には6月に入ってからどこかの時点で動きが出てくると見ていますが、それまでは横方向のもみあいか、もう一段の調整を挟む可能性が高いと言えるでしょう。また引き続き米国株式市場は上値の重たい展開となりやすいことも短期的にはドル買いに動きにくい状況としています。
テクニカルには日足チャートをご覧ください。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。
年初来安値と高値のフィボナッチ・リトレースメント23.6%押しが127.12と4月下旬の押し126.93レベルと近い位置にあり、先週の安値も127.03とほぼ一致を見ました。ここで反発すれば下降トレンドが終了ということにもなるのですが、いまだ上値は重く安値圏での取引が続いていることを考えると、次のターゲット38.2%押しの124.51が3月高値125.08レベルと比較的近い位置にあり125円の大台が視野に入ります。
今週中に125円台前半は無さそうですが、依然として方向はドル安・円高の調整が続きやすいと見てよいでしょう。今週は125.50レベルをサポートに128.50レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2022年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
5月23日(月)
**:** 日米首脳会談 ☆
17:00 ドイツ5月ifo企業景況感
23:15 オーストリア中銀ドイツ連銀、英中銀総裁講演 ☆
23:30 フランス中銀総裁講演 ☆
25:00 (アトランタ連銀総裁講演)
**:** ユーロ圏財務相会合
5月24日(火)
07:45 NZ1〜3月期小売売上高
08:30 カンザスシティ連銀総裁講演
15:45 フランス5月企業景況感
16:15 フランス5月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
16:30 ドイツ5月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:00 ユーロ圏5月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:30 英国5月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
22:45 米国5月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
23:00 米国5月リッチモンド連銀製造業景況指数
23:00 米国4月新築住宅販売件数
5月25日(水)
11:00 NZ中銀政策金利発表 ☆
12:00 NZ中銀総裁会見
15:00 ドイツ1〜3月期GDP改定値 ☆
15:00 ドイツ6月GFK消費者信頼感
15:45 フランス5月消費者信頼感
16:00 パネッタECB理事講演
16:00 フィンランド中銀総裁講演
17:00 ラガルドECB総裁講演 ☆
20:05 黒田日銀総裁講演
21:30 米国4月耐久財受注
23:30 週間原油在庫統計
27:00 FOMC議事録公表 ☆
5月26日(木)
18:30 南ア4月PPI
20:00 トルコ中銀政策金利発表
21:30 米国1〜3月期GDP改定値 ☆
21:30 米国新規失業保険申請件数
23:00 米国4月住宅販売保留件数
5月27日(金)
08:30 本邦5月東京区部CPI ☆
10:30 豪州4月小売売上高
20:35 レーンECB理事講演 ☆
21:30 米国4月個人所得・消費支出 ☆
21:30 米国4月卸売在庫
23:00 米国5月ミシガン大消費者信頼感
前週の主要レート(週間レンジ)
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時~NY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
5月16日(月)
週明けのドル円は値幅は1円近くあったものの方向感は無く、米金利の動きに沿って上下する程度の動きに留まりました。128円台後半の買いと129円台半ばの売りとに挟まれて新たな材料待ちといった動きを続けました。
5月17日(火)
ドル円は昨日も材料難といった流れが続きましたが、ユーロ円が大きく上昇する動きに引っ張られてドル円も若干底堅い動きとなりました。NY市場では強弱ミックスの米国経済指標に反応して上下したものの方向感は出ないままで引けました。
5月18日(水)
ドル円は週初から129円台半ばで上値の重たい展開が続いていましたが、昨日もNY市場までは上値が重たいながらも値動き自体は鈍い展開が続きました。NY市場ではNYダウが1000ドルを超える大幅安となり、その他の主要株価指数も急落。ドル円も株安の流れとともに128円割れ目前まで水準を切り下げ若干戻して引けました。
5月19日(木)
ドル円は東京市場では早朝に一時的な下げを見た後は日経平均株価が堅調だったこともあってじり高となり、昼過ぎには高値128.94レベルをつけました。しかし129円台にはドル売りオーダーが見られたことダウの夜間取引で売りが広がり前日安値を下回る動きとなったことに加え米金利も低下したことから下げに転じNY前場には127.02レベルの安値をつけました。引けにかけては短期筋の利食いも出て127円台後半へと戻しました。
5月20日(金)
ドル円は127円台後半から128円台前半で上下を繰り返し方向感がはっきりしないもみあいの週末相場となりました。黒田日銀総裁によるCPI2%超えは一時的なもので大規模緩和政策は継続するとの発言にも反応は見られずどちらかというと上値が重たい印象でした。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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