米株の動きなど注視しつつ、基本はレンジか
〇本日のドル円、高値128.05安値127.15、先週安値にとどかず16時現在127.80-85で推移
〇127円台中心としたレンジ取引、上下どちらに放れるか方向性注視
〇日米首脳会談実施、7月に日米経済政策協議委員会開催、IPEFに本邦参加方針表明
〇本日は米シカゴ連銀全米活動指数、ダボス会議での要人講演に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.00-128.10、128.05レベルが最初の抵抗
<< 東京市場の動き >>
週明け23日の東京市場は「行って来い」。一時ドル安が進行するも127円は割り込めず、そののちドルが買い戻されている。
先週末は、実施された豪総選挙で野党・労働党が勝利を収め、9年ぶりとなる政権交代が実現。また、バイデン米大統領が韓国を訪問し、就任したばかりの尹大統領と会談を行い、「軍事演習拡大のほか必要なら新たな兵器配備を行うことで合意」するなか、早くも次の訪問地である日本への到着を果たしている。
そうした状況下、ドル/円は127.90円前後で寄り付いたのち、日中高値である128.05円レベルを示現。しかし以降は株価や、日米首脳会談などをにらみつつ、円が全面的に買い進められている。ドル/円も127.15円レベルまで値を下げるも続かず、大引けにかけては再び円売りが目に付く展開。結果「行って来い」の様相で、16時現在では127.80-85円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「バイデン氏の日韓訪問」について。
前者は、この週末にかけて行われた幾つかの国際会議でロシアのウクライナ侵攻への意見が一本化されず、対応が分かれる結果に。たとえば、G7財務相・中銀総裁会議はロシア資産の差し押さえ決断には至らなかったほか、APEC貿易相会合も一部反対者の意見を覆せず共同声明の発表が見送られるなか閉幕している。なお、そうしたなか米国防総省報道官によると、トータル40ヵ国以上が参加する「ロシアの侵攻を受けたウクライナの防衛を協議する2回目の関係国会合」が23日にオンラインで開催される見通しだという。果たして、どういった議論になるのか注目だ。
対して後者は、21-24日の日程で日韓を訪問しているバイデン米大統領。まず韓国を訪問し、就任したばかりの尹大統領と会談を行うなか、記者会見では北朝鮮のいかなる行動にも用意ができているとし、同国による新たな核実験を「懸念していない」と指摘していた。そののち、日本を訪問したバイデン氏は天皇陛下に接見後、岸田首相との日米首脳会談を実施。「日米経済政策協議委員会」(経済版2プラス2)の初会合を7月に開催する方針を表明したうえ、岸田首相は米国主導のインド太平洋経済枠組み(IPEF)に日本が参加する方針を表明している。
<< 欧米市場の見通し >>
131.25円と131.35円でダブルトップをつけた感のあるドル/円は、下値を探る動きをたどるも127円前後をクリアに割り込めず、ドルの下値トライも失敗に終わったか。本日東京時間にも、ドルは一時再び弱含んだが下値は127.15円レベルまでで、やはり先週安値にはとどかなかった。そのため、基本はレンジ取引が継続される公算が大きいと予想するが、敢えて指摘すればリスクは下向きか。4月27日安値126.95円を含めた127円前後を「しっかり」と下回ると、ドルの下値余地が広がりかねない。
拡大傾向にある日米金利差に加え、やや消極的ではあるもののイエレン米財務長官から「ドル高容認発言」が聞かれるなど、普通に考えればドル高・円安に振れやすい。ただ、ここ最近発表される米経済指標がやや冴えない内容を呈しつつあるうえ、日経新聞が「歴史的な下げ局面」と報じるような米株の弱含みがドル高の足かせとなっていることは間違いない。そろそろ底入れし、反発を予想する声も聞かれるが、ともかく本日も米株の動きに一喜一憂する展開が続く見込みだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は再びレンジ相場の様相を呈しつつあり、実際先週19日の欧米時間以降は127.00-128.30円といった1.3円レンジをたどっている。目先はまず、127円台を中心とした足もとのレンジをどちらに放れるのか、その方向性が注視されそうだ。敢えてリスクを指摘すればドル安方向にバイアスが掛かりそうだが、逆に上抜けすれば移動平均の21日線も位置する129円前半がターゲットに。
本日は米経済指標として、4月のシカゴ連銀全米活動指数が発表されるほか、開催されているダボス会議などで複数要人による講演等が予定されている。また、前述した米国主導の「ロシアの侵攻を受けたウクライナの防衛を協議する2回目の関係国会合」にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.00-128.10円。ドル高・円安方向は本日東京高値の128.05円レベルが最初の抵抗で、抜けても足もとのレンジ上限である128.30円レベルでは上げ渋りか。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の127.15円レベルの攻防にまずは注目。ただ、その下127円前後はかなり強いサポートと目され、大崩れは予想しにくい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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