N$シカゴポジョン(2022年5月17日現在)

先週のシカゴは、ロング200枚減、ショート4,600枚増で、差し引き4,800枚のショート増になりました。

N$シカゴポジョン(2022年5月17日現在)

シカゴポジション(CME)335

シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。

主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年05月17日現在の数値)

シカゴポジション(CME)335

ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル

先週のシカゴポジションはオセアニア通貨が米ドル買い、円・ユーロがドル売りになりました。最初に豪ドルですが、両建てでポジション膨らませ豪ドルショート増になりました。まだ目安となる5万枚を越えていないので、完全に豪ドル安先安観とはなっていません。ただポジション枚数を膨らませているので、明日の締日で大きく動く可能性があります。NZドルは昨年3月以来の17,000枚越えになりました(下記チャートの〇印内の棒グラフを見ると大きくショートが膨らんでいます)。その当時はNZドルがロングで、その日を境にしてロングを利確し、相場もNZドル安になっています。今週はNZ中銀の金融政策が予定され、しかも市場は50ベーシス利上げ予想になっている中で、ショートを積み増したので、ここ1〜2日はオセアニア通貨が強くなっています。もしNZドルが前回同様にポジション調整してくると、豪ドルも連れる可能性が高いと思います。

円は約8,000枚のドルロング減になりました。締日のNY終値は129円38銭でしたが、週内には127円52銭の円高値があったにも関わらず、ポジション調整しているので、明日のポジションでもドルロングが増えていないと、先にドル一段高トライとは見ていない可能性が一層高まり、まず一度利益確定を先行するようです。サポートとしては126円90銭〜127円と126円35銭にある窓を埋めるかがポイントになりそうです。ユーロは4,000枚程度ですが、ユーロロングを積み増してきました。まだ5万枚には程遠いので、ユーロ先高の相場観にはなりませんが、再び押し目買い先行です。ユーロの上値ポイントは1.0640と2月初旬高値からの1.0820〜30の2つの抵抗線を越えられるかとみています。いずれにせよ、シカゴの相場観がはっきりするにはまだ時間かかりそうです。

先週のシカゴは、ロング200枚減、ショート4,600枚増で、差し引き4,800枚のショート増になりました。ネットポジションは2段目の目安となる15,000枚越えてきました。上述にあるように、ここ数年間では最大のショート枚数になっています。NZ中銀の金融政策前に予想外の積み増しですが、流石に先週金曜日辺りからポジション調整になり、先週締日よりも100ピップス程度NZドル高に戻っています。チャートを見ると、NZドル安トレンドライン0.6430〜0.6920を大きく下抜け、底値は0.6215まで下がり、先週締日は0.6361でした。現在のスポットは0.6450付近まで買い戻され、終値ベースのトレンドライン内に回帰しています。明日の締日で0.6450以上ならレンジ内に回帰し、戻り高トライになるかもしれません。ショートを積み上げ始めた高値が0.6500付近でしたので、現状ではポジションのコストは割れて、含み損になっていると思われます。この状態で水曜日の金融政策を迎える訳にはいかないと思いますので、このままではポジション調整のNZドル買いの可能性高くなりそうです。

さて、実際の相場は、4月5日高値からの抵抗線が0.6420にあり、今日寄り付きから越えています。少なくとも今日の終値で越えるともう一段の戻り高トライになりそうです。上値は0.6490〜0.65、0.6540〜50に抵抗線があり、後者を越えると方向性としては0.6700になります。下値は少なくとも今日以降0.6410を切れて終わることが必要で、この場合、さらに明日の終値ベースのサポート0.6430割れも確認します。この場合には0.6290、0.6210〜20方向のトライになります。シカゴのポジション持ち値から勘案すると下値が底固そうです。(1NZドル=0.6455米ドル、5月23日14:00)

シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート

シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート

(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。

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