トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、円一段安の動きから28日に8.82レベルの高値をつける
〇トルコ中銀が2022年末のインフレ予測を42.8%へ修正、6月には一時的に70%をつけピークに
〇今週5日に発表されるトルコ4月CPIは予想が67.55%と前回の61.14%から更に上昇する予想
〇今回のCPIを経て次回の中銀会合に向け利上げ思惑が出ればトルコリラ安で反応の動きに
〇今週は8.50レベルをサポートに8.82レベルをレジスタンスとする週とみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「フィボナッチリトレースメントを参考にして8.50レベルをサポートに、8.80レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が8.50レベル、高値が8.82レベルと、ほぼ予想通りの値動きとなった一週間となりました。
先週のトルコリラは、対ドルでは緩やかなトルコリラ安トレンドとなっていたことで週前半はトルコリラ円もじり安の動きとなり8.50レベルまで水準を切り下げましたが、28日の日銀会合において大規模緩和が継続されることに反応した円一段安の動きから、トルコリラ安以上に円安となったことで28日に8.82レベルの高値をつけました。この動きは完全に円要因であり、トルコリラに特別の動きがあったわけではありません。
ただ先週28日にトルコ中銀がインフレ見通しを大きく修正したヘッドラインが出ました。これまでトルコ中銀による2022年末のインフレ予測は23.2%だったのですが、それを42.8%へと修正しました。また年央6月時点では一時的に70%をつけてピークに達するとしていて、今週出てくるCPIにまずは注目が集まります。
今週5日に発表されるトルコ4月CPIは予想が67.55%と前回の61.14%から更に上昇する予想となっていて、6月時点のピークを前に70%を見る可能性もあります。トルコ中銀が年末にインフレが収まっていないという見方を示しましたので、今回のCPIを経ての次回5月26日のトルコ中銀会合に向けて利上げ思惑が出てくるとも思えず、そうなると通貨市場に圧力が加わりトルコリラ安で反応するという動きにつながっていきそうです。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
先々週と先週とで8.80レベルの上値が重くなってきてそれまでの上昇トレンドから横方向のもみあい相場へと変化してきています。今週のFOMCで米国は利上げに動くこともトルコリラにとっては悪材料となりますし、CPIの数字もトルコリラ安へと転じるきっかけとなる可能性もありますが、今週のところはもみあいと見る方がよさそうです。
今週はサポートレジスタンスとも先週のレンジをそのまま繰り返しやすいと見て、8.50レベルをサポートに8.82レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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