ランド円レポート月曜版
〇先週のランド円、安値8.15高値8.72、予想大幅に上回り売られる
〇洪水による国家的災害事態宣言効いたか、7月中旬まで3か月継続予定
〇ランド高の動き下降に転じ、上値抑えやすい地合い形成
〇今週は南アPPI、貿易収支発表予定、予想外れない限り売り材料とならず
〇今週は8.05レベルをサポートに8.30レベルをレジスタンスとする週とみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「前週レンジを参考に前週安値圏8.45レベルをサポートに、前週高値を若干上回る8.75レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が8.15レベル、高値が8.72レベルと、予想よりもかなり売り込まれた一週間となりました。
先週のランドは、週初こそ買いが先行し前週高値をトライしたものの火曜にわずか1銭の高値更新に留まり上値が重くなり始めていましたが、前日月曜にラマポーザ大統領が洪水による国家的災害事態の宣言を行ったことが、じわりと効いて来たようです。この宣言はクワズール・ナタール州と東ケープ州の2州を襲った洪水により当初は州レベルでの災害としていたものが、被害が広がったことで国レベルとしたものです。
新型コロナの感染拡大時にも同じ宣言が出されましたが、その宣言が終わってわずか2週間で今度は洪水による国家的災害事態となり、今回は7月中旬まで3か月継続となるようです。現在洪水被害に遭った地域の復旧は徐々に進んでいて、一時期閉鎖されていた港は再開、冠水していた道路も一部開通という状況のようです。
また洪水による国家的災害事態に加え、最大の貿易相手国である中国のゼロコロナ政策で上海のロックダウンが続いていることも悪材料とされていますが、こちらは以前から続いている材料ですから、洪水による災害事態宣言による下げでテクニカルに前週安値、その前の週の安値と次々とサポートを下抜いていったことによるストップが最大の要因では無かったかと見ています。
今週は週後半に南アのPPI、貿易収支といった経済指標はありますが、よほどコンセンサスからずれた数字でもないと材料とならないでしょうし、それよりも先週初まで続いていたランド高の動きが下降に転じたことで、戻り売りを考える向きが今後増えてきそうなことが引き続き上値を抑えやすい地合いを形成してくると言えそうです。
テクニカルには日足チャートから見て行きます。
3月に大きく上抜けする前の平行上昇チャンネル(ピンク)と3月安値と先週高値との半値押し8.05(青のターゲット)が引いてあります。先週初までは上昇トレンドが続いていたのですが、火曜以降の下げでいったん短期的な高値を見て現在は上昇チャンネルと半値押しが重なる8.05〜8.10レベルを下値の目途とした下げが継続中と見てよさそうです。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
青の水平線は日足チャートで見た半値押しの8.05、ピンクの水平線は3週間前の安値8.31です。当面はこれら両線に挟まれる水準をベースに上値が重い展開を続けると見ていますので、今週は8.05レベルをサポートに8.30レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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