南アランド週報:『1ヵ月ぶり安値圏へ急落。米金利上昇・洪水被害・計画停電が重石』(4/23朝)

南アランド円相場は4/19に記録した約3年10ヵ月ぶり高値8.74円(2018年6月以来)をトップに反落に転じると、週末にかけて、約1ヵ月ぶり安値となる8.22円まで急落しました。

南アランド週報:『1ヵ月ぶり安値圏へ急落。米金利上昇・洪水被害・計画停電が重石』(4/23朝)

『1ヵ月ぶり安値圏へ急落。米金利上昇・洪水被害・計画停電が重石』

〇今週の南アランド円火曜に8.74まで上昇後、週後半にかけ8.17まで急落
〇南ア東部の大規模洪水の影響、計画停電の強化、南アCPIの不冴え、中国での感染拡大が背景
〇南ア円基準線、転換線、21日線、ボリンジャーミッドバンドを下抜け、テクニカルの地合い悪化
〇ファンダメンタルズも南ア円相場の下落材料増える
〇南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想
〇商品価格、米長期金利動向、南アPPI要注視、来週の予想レンジ(ZARJPY):8.00ー8.40

今週のレビュー(4/18−4/22)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初8.64円で寄り付いた後、@世界的なリスク選好ムードや、A貴金属市場の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)、B対主要通貨での円独歩安の流れ(ドル円が約20年ぶり高値となる129.40まで急上昇→南アランド円連れ高)が支援材料となり、翌4/19にかけて、週間高値8.74円(2018年6月以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、C南ア東部クワズールー・ナタール州で発生した大規模洪水の甚大な影響や、D国営電力会社エスコムによる計画停電強化の発表、E南ア3月消費者物価指数(結果+5.9%、予想+6.0%、※前年比)の予想を下回る結果、F中国における新型コロナウイルスの感染拡大懸念(南アと貿易的な結びつきの強い中国の景気減速懸念)が重石となり、週後半にかけて、3/23以来、約1ヵ月ぶり安値となる8.17円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/23午前5時00分現在)では8.22円前後で推移しております。

来週の見通し(4/25−4/29)

南アランド円相場は4/19に記録した約3年10ヵ月ぶり高値8.74円(2018年6月以来)をトップに反落に転じると、週末にかけて、約1ヵ月ぶり安値となる8.22円まで急落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、21日移動平均線やボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります(直近数週間の上げ幅を全て吐き出す展開)。ファンダメンタルズ的に見ても、@南ア経済の先行き不透明感(南ア経済指標は先週来軒並み冴えない結果)や、A中国における新型コロナウイルスの感染拡大(南アフリカと経済的な結びつきの強い中国のロックダウン長期化懸念→中国の景気減速懸念)、B米FRBによるタカ派傾斜観測(米長期金利上昇を通じた過剰流動性相場逆流懸念→新興国から米国への資金流出に繋がる恐れ)、C国営電力会社エスコムによる計画停電再開、Dナタール州で発生した大規模洪水の甚大な被害、Eラマポーザ政権の求心力低下(過去最高水準の失業率→南アフリカの政情不安)、

F南ア中銀の利上げ観測後退(南ア準備銀行は先週発表した隔年の金融政策見直しで悲観的なスタンスを強調。今週発表された南アCPIも市場予想を下回る結果)など、南アランド円相場のダウンサイドリスクを連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週はコモディティ価格や米長期金利の動向に加えて、南ア3月生産者物価指数に注目が集まります。コモディティ価格が下落に転じる場合や、米長期金利が一段と上昇する場合などには、交易条件悪化を通じた南アランド売りと、米金利上昇を通じた南アランド売り(新興国から米国への資本流出)が組み合わさることから、南アランド円相場に強い下押し圧力が加わるものと推察されます。また、南ア3月PPIが市場予想を下回る場合も、南ア中銀による追加利上げ観測後退を通じて南アランドに下落圧力が加わりそうです(上昇トレンド終焉→下落トレンド開始)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.00ー8.40

注:ポイント要約は編集部

『1ヵ月ぶり安値圏へ急落。米金利上昇・洪水被害・計画停電が重石』

南アフリカランド円日足

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