122円台中心の動意か、徐々に落ち着きも
〇本日のドル円、122円台後半を中心とした一進一退、16時現在は122.65-70で推移
〇本日は米経済指標として、2月の製造業受注指数や同耐久財受注確報などが発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは122.00-123.20
〇ドル安・円高方向は、時間足など短期ベースでは122.25レベルが弱いサポート
<< 東京市場の動き >>
週明け4日の東京市場は、レンジ取引。ドル/円は久しぶりに50ポイント程度の値動きにとどまったうえ、方向性も乏しかった。
先週末、ウクライナが初めて「ロシア国内の核燃料施設を攻撃した」と報じられ話題に。そうしたなか、珍しく韓国と北朝鮮のやり合いが観測されると、こちらも思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は122.55-60円で寄り付いたのち、一時ドルが小緩むも下値は122.30円前後まで。底は浅く、下げ止まるとその後は122円台後半を中心とした一進一退に。プラス圏で寄り付いた日経平均株価が一時マイナス圏へと転じたことなどに一喜一憂したものの、結果として大きなインパクトはなし。16時現在では122.65-70円と寄り付きに近いレベルで推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、週末以降マーケット含めて話題になっていたのは、「ロシアの戦争犯罪」論。キッカケになったのは、ウクライナの首都キーウ(キエフ)郊外ブチャで民間人とみられる多くの遺体が見つかったことで、欧州主要国は一斉に「民間人虐殺は戦争犯罪」と断じるとロシア非難の大合唱となった。また、そのほかにもウクライナ副首相が「ロシア軍は首長11人を拘束している」と述べるなど、一般人を巻き込んだ戦闘状況が次々に伝えられたが、タス通信は「ロシア国防省、キーウ周辺の民間人虐殺への関与否定」などと報じている。
対して後者は、中国衛生当局が「2日のコロナ感染者が過去最多、1.3万人超えた」と発表し話題に。また、そののち医療逼迫からか「中国軍、医療部門要員2000人を上海に向けて派遣」などとも伝えられている。一方、それとは別に、中国外務省の王欧州局長は記者会見で、「ロシアの制裁逃れを支援する行為は一切していない」と主張した反面、英紙が「ロシアの侵攻直前に、中国がウクライナへサイバー攻撃を仕掛けていた」と指摘。後者が事実なら、中露の緊密な関係が疑われそうだ。
<< 欧米市場の見通し >>
先週のドル/円は、週初3月28日だけで3円を超える変動をたどったほか、そのあとの週末まで毎日一日あたりの変動が1円を超えていたが、本日はここまで50銭強。もちろん、まだ東京が終わっただけで予断を許さないものの、相場は少し落ち着きを取り戻しつつある。中期ドル高基調をたどるなか、足もとは122円台を中心とした時間調整と思しき動きが続く可能性もある。
先週末に発表された米雇用統計も底堅い内容で、それを受けてFRBは5月の「次回FOMCで0.5%の利上げを実施する」といった見方が再浮上しているようだ。ただ、一筋縄でいかないのは、米利上げのマイナス面が取り沙汰され始めていることで、実際先週末にNYダウなどの米株はかなり上値の重い展開をたどっていた。本日も発表される米経済指標などとともに、米株価や商品市況の動きには十分に注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、前述したようにドル/円はようやく落ち着きを取り戻しつつあるようだ。価格ではなく、時間的な調整局面に入った場合、レンジを狭くとればザックリ122-123円、広くとれば121.30-123.30円といったなかでの一進一退となる可能性もある。先月、月間変動幅が10円を超える大荒れをたどった反動もあり、次の方向性を探る静かな4月相場のスタートを見込む向きも少なくない。
材料的に見た場合、中長期的には日経新聞が米商務次官補のインタビューとして「中国への強硬姿勢緩めず」と報じていた「中国情勢」。過去最高の感染者数となっている中国を横目に、日本も岸田首相が「一部でリバウンド」と懸念を示すなど予断を許さない「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「エネルギー・穀物相場」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、2月の製造業受注指数や同耐久財受注確報などが発表されるほか、ユーロ圏財務相会合も開催される見通しだ。ただ油断は禁物だが、決定要因だけでいえば、若干材料が少ない気がする。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは122.00-123.20円。先週末高値123.03円の攻防にまずは注目で、抜ければ3月30日高値123.20円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースでは122.25円レベルが弱いサポートとなっている。割り込むようだと122円割れ、2日続けてドルの下値を支えた121.30円レベルを目指す展開か。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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