トルコリラ円レポート月曜版(22/4/4)

先週はドル円が週初に125円台乗せとなったことからトルコリラ円は上昇して始まりました。

トルコリラ円レポート月曜版(22/4/4)

トルコリラ円レポート月曜版

〇先週のトルコ円、週初のドル円急騰、翌日のトルコの対ドルでの急上昇に伴い週前半高値8.42をつける
〇トルコ政府、非居住者預金にも保護策拡大、リラ買い強まり対ドルで14.83から14.52までリラ高に
〇その後はドルトルコの買戻しと、ドル円上昇一服に8.30レベルに押して越週
〇本日発表予定の3月CPI年率61.6%予想、中銀引き締めの可能性低く、リラ買いの動き減速要因となるか
〇今週は8.15レベルをサポートに8.40レベルをレジスタンスとする

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「上昇チャンネルの下限近辺をサポートに、2月25日高値をレジスタンスとする流れを考え8.15レベルをサポートに8.40レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が8.20レベル、高値が8.42レベルと、予想よりわずかに強い動きとなり、2月21日以来の高値をつけています。

先週のトルコリラは、前週の全く動かないドルトルコリラ相場を継続してスタートするいっぽうでドル円が週初に125円台乗せとなったことからトルコリラ円は上昇して始まりました。また翌火曜の欧州市場でウクライナとロシアとの停戦協議が前進との報道から、開催地がイスタンブールであったこと、そして最大のリラ買いの理由としてトルコリラ預金の政府による為替差損補償を非居住者の預金にも適用するとの発表も重なりドルトルコリラでトルコリラに急速に買いが集まることとなりました。

ドルトルコリラは預金保護の発表を受け14.83レベルから14.52レベルまでトルコリラ高となり、トルコリラ円も上昇し週間高値となる8.42レベルをつけることとなりました。その後はドルトルコリラの調整の買い戻しとドル円がいったん高値を見た後のもみあいとなったこともあって8.30レベルへと押して引けました。

今週は月曜のCPI程度しか大きな材料はありませんが、年率で61.6%ととんでもない予想が出ています。ここまでインフレ率が高いと10%程度予想からずれて来ないと動かなそうですが、トルコ中銀は相変わらずエルドアン大統領の顔色を伺って引き締めへとも戻ることはないでしょうから、3月に入ってからのトルコリラ買いの動きを減速させる要因となりそうですし、米国の利上げ思惑が高まっていることを考えると資源国ではない新興国通貨は徐々に買いにくくなっていくと考えられます。

テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版

上述した通りでこれまでのようにトルコリラ買いが続くというよりも短期的には調整が入りやすいと考えた方が妥当です。特に気になるのは非居住者の預金にまで政府保証を拡大したという点で、そこまでしないとトルコからの資金流出を止められなくなっているということがその背景にあると見られます。

引き締めに転換すれば解決する問題を緩和下で解決しようとしている矛盾ですが、エルドアン大統領がいる限り方向転換は難しいでしょう。

チャートに戻ると、これまでの上昇チャンネルを下抜け、今週は横方向の動きになってくると見ています。上値は先週の高値圏、下値は上昇チャンネルの起点となっている3月10日安値と先週高値の38.2%押しとなる8.14です。今週は上昇トレンドが終わる前提で8.15レベルをサポートに8.40レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

注:ポイント要約は編集部

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