トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値7.98レベル高値8.36レベル、下げ圧力強くない印象
〇ウクライナ情勢緊迫化続く、週を通してじり安展開
〇露軍艦のトルコ内海峡通過認めず、欧米との関係改善につながる好材料に
〇トルコCPI及びPPI急上昇、中銀の過剰緩和策トルコリラ安材料に
〇今週は7.80レベルをサポートに8.20レベルをレジスタンスとする週とみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「上値はレジスタンスライン、下値は前週安値ローソク足実体部分を参考に、7.90レベルをサポートに8.35レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.98レベル、高値が8.36レベルと、ほぼ予想レンジの中での動きとなりましたが、思ったほどは下げ圧力は強くなかった印象でした。
先週のトルコリラは、ウクライナ情勢緊迫化が続く中で新興国通貨から米ドルへという動きとなり週を通してほぼじり安の展開となりました。前週のような急落こそ見られなかったものの、ウクライナ情勢の緊迫化は通貨の強弱として、米ドル>円を含むその他通貨>新興国通貨>ユーロ、といった序列を作り出しています。
ドルトルコリラもトルコリラ円もこの序列を考えると先週の動きはその通りなのですが、他の材料もいくつかありました。好材料としてはNATO軍の一員としてロシア軍艦のトルコ内海峡(エーゲ海と黒海をつなぐトルコ国内の2つの海峡)通過を認めなかったこと。これまでロシア寄りの動きも目立ったトルコが、ロシアに対してノーと言ったことで欧米との関係改善につながる動きです。
いっぽうで、先週木曜にはトルコのCPI・PPIが発表され、CPIが54.44%(前月48.69%)、PPIが105.01%(前月93.53%)とそれぞれ凄まじい上昇を示しました。インフレ下での低金利政策、さらには収まらないエネルギー価格の上昇などが要因とは言え、エルドアン大統領介入による中銀の過剰な緩和策がトルコリラ安の材料となり続けることも間違いないでしょう。
今週もトルコ国内の材料よりも世界的なインフレ懸念とウクライナ情勢がテーマとなりそうですが、そうであるとすると基本的にトルコリラ安の流れは継続するということになります。トルコリラ円の週足チャートを見ても暴落後の急反発を経て今年に入ってからは上値が重たい展開を続けていることがわかります。相場の大局を確認する意味でもトルコリラ円の週足チャートをご覧ください。
いますぐ大きく動くことは無いにせよ現在は暴落安値6.09と急反発高値11.07との間で緩やかな下げの動きであることは確認できます。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
こちらのチャートでは短期的に先々週安値7.69とその後の戻り高値8.37の間(青の水平線)での推移となっていることを確認できますが、上値に関しては2月11日高値から引いたレジスタンスライン(ピンク)が短期的な戻りの上限を示していると考えています。また下値に関しては先々週安値からの上げに対しての78.6%(61.8%の平方根)押しとなる7.83が参考になりそうです。
今週は上記テクニカルな観点から7.80レベルをサポートに8.20レベルをレジスタンスと8円の大台を挟んだ週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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