材料やや乏しい、基本はレンジ内で一進一退(3/7夕)

週明け7日の東京市場はレンジ取引。荒れ模様となった日米株価の動きなどをにらみつつも、積極的な動意は乏しかった。

材料やや乏しい、基本はレンジ内で一進一退(3/7夕)

材料やや乏しい、基本はレンジ内で一進一退

〇本日のドル円、ドルと円同時に買い進められ115円挟みの狭いレンジ取引に終始
〇ユーロ/ドルやユーロ/円、ポンド/ドルなどが軒並み下値を探り、年初来安値を更新
〇本日3回目のロシア・ウクライナ停戦交渉が行われる見込み、動静に注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.70-115.60、115.20-30が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、先週末安値114.65を割り込むとレンジ下限114.40レベルが意識される

<< 東京市場の動き >>

週明け7日の東京市場はレンジ取引。荒れ模様となった日米株価の動きなどをにらみつつも、積極的な動意は乏しかった。

先週末、3回目のウクライナ停戦交渉が「7日にも行われる見込み」と報じられ話題に。また中国の国会に当たる全人代が開幕し、22年の国防費が驚異の「7.1%増、2294億ドルへと増額」されることが明らかになっている。
そうした状況下、ドル/円は114.90円前後で寄り付いたものの、売買はおおむね手控えムード。115円挟みの20ポイント強という狭いレンジ取引に終始した。ただ、ドル/円の動意は鈍かったが、週末からのウクライナ情勢を嫌気した動きに加え、日経平均株価が終値ベースで700円以上の下げを記録したことなどが材料視されると、リスク回避の動きが全般的に活発。ドルと円は同時に買い進められ、ユーロ/ドルやユーロ/円、ポンド/ドルなどが軒並み下値を探る動き。それぞれ年初来安値を更新している。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ウクライナ大統領が「空港がミサイル攻撃で壊滅的な被害をうけた」と発表するなどロシアの攻撃は依然として継続。国連安保理をはじめ、様々なところでロシアに対する非難が相次ぐも、当のロシアはスタンスを大きく変える気はなさそうだ。たとえばロイターによると、プーチン大統領は「ウクライナが抵抗をやめてロシア側の要求を満たした場合のみ、軍事作戦を停止する」と述べたとされるほか、フランス大統領との電話会談でも要請された「原発攻撃自粛」の提案を却下したという。前述したように、本7日にも「3回目のウクライナ停戦交渉」が行われる見込みだが、進展は予想しにくい。

対して後者は、北京パラリンピックが開幕されるなか全人代も同時並行的に開催されている。そのため表立っての動きは少なめだが、それでも4日から15日の期間で「ベトナム沖の南シナ海で軍事演習を行う」と発表しているほか、李首相から「台湾情勢で外国からの干渉には断固反対」との発言も聞かれていた。なお、先のパラリンピックだが、開会式で国際パラリンピック協会会長のスピーチの一部、「平和のメッセージを訴える」部分のみ、中国国内に広がらないよう中国語に翻訳されなかったとの疑惑が広がっている。

<< 欧米市場の見通し >>

ウクライナ情勢への警戒感が強く予断を許さないが、本日の東京時間が典型的な事例であるように、ドルと円は同じ方向へと動きやすい。つまり、買われるのではあれば、「リスク回避の動きからともに揃って」というわけだ。したがってユーロ/ドルやユーロ/円などはそれなりの変動をたどるものの、ドル/円は結果として膠着ということが少なくない。このあとも基本的には115円挟み、やや広めではあるものの過去2週間程度推移する114.40-115.80円にはとどまる公算が高そうだ。
先週発表された米雇用統計は良好な内容となったうえ、議会証言でパウエルFRB議長も強気発言を連発。通常であれば来週の米FOMCへの関心がもっと高まっても不思議はないが、依然としてウクライナ情勢が市場の波乱要因となっており、米金融政策はまだ陰に隠れている格好だ。そんななか、「3回目のウクライナ停戦交渉」が行われる見込みとされることから、まずはその動静に注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、先週末に発表された米雇用統計は良好な内容でドル一段高のトリガーを引くかと期待していたのだが、ウクライナ情勢への警戒感にのみ込まれ、逆にドル安が進展している。ただ、それでも依然として115円挟み。いまだレンジ内だ。上値トライは失敗した感じもあるが、足もとは明確な方向性を喪失しており、このまま下値トライともいかないだろう。しばらくは115円挟みで、次の方向性を探る動きを見込む向きも少なくない。

材料的に見た場合、中長期的には11日まで開催される全人代が引き続き注視されている「中国情勢」、ようやく終息も見えてきた感じだが、「BA.2」などオミクロンの派生種も観測されていることが気掛かりな「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、1月の消費者信用残高が発表されるものの、来週のFOMCを前にした「ブラックアウト期間」で米通貨当局者らの発言機会が見込めないなど、新規要因はやや乏しい。ただウクライナ情勢と株価や金利の動きには一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.70-115.60円。移動平均の21日線も近い115.20-30円が最初の抵抗。上抜けると115円半ば、そして116円前後を目指す。
対するドル安・円高方向は、先週末安値114.65円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むとレンジ下限に当たる114.40円レベルが意識されそうだ。

材料やや乏しい、基本はレンジ内で一進一退

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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