ランド円レポート月曜版
〇先週のランド円、週半ばに7.71レベルを2度トライしたものの前週高値をトライしきれず
〇週後半はウクライナ情勢の緊迫化によるリスクオフで新興国通貨に売りが広がる展開
〇今週は南ア材料としては貿易収支と製造業PMIだが、先週同様ウクライナ情勢の進展次第
〇仮に停戦合意でも長期的に緊張状態が続く可能性高く、基本はリスクオフという見方
〇今週は7.32レベルをサポートに7.58レベルをレジスタンスとする週とみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「上値は2月10日高値、下値はサポートラインを参考にすることとなり、7.48レベルをサポートに7.71レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.40レベル、高値が7.67レベルと、サポートラインを割り込んで下げたものの、2月7日安値も割り込まず、思ったほどのリスクオフ相場にはなりませんでした。
先週のランドは、週半ばに7.71レベルを2度トライしたものの前週高値をトライしきれず、週後半はウクライナ情勢の緊迫化によるリスクオフの動きから新興国通貨にも売りが広がる展開となりました。新興国通貨はリスク資産となりますので、リスク資産を売って安全資産(今回は米ドル)を買う動きです。
詳細はドル円週報をご参照いただければと思いますが、ウクライナ情勢が最悪の事態へと進んだことで、世界最大の軍事力を誇る米国の通貨が買われたという流れで、米国同時多発テロ前は有事のドル買いという動きが普通だったという動きに戻った印象です。
今週は南ア材料としては貿易収支と製造業PMIがありますが、先週同様にウクライナ情勢の進展次第でリスクオフであればランド売り、リスクオフの巻き返しであればランド買い戻しという展開になると見られます。週明け早朝にはSWIFTからロシアを締め出すとのニュースに一時的に下げたものの先週安値と同水準までで、その後は買い戻しが入っているが週末終値にはやや遠いという動きです。
ウクライナ情勢ですが、本日にもウクライナ大統領と英国首相が協議し、その後ロシアと停戦協議を行うこととなっています。現地の状況がどこまで正しいのかはわかりかねますが、ウクライナ側の発表ではロシア軍にかなりのダメージを与えているとのことで、ロシア軍も思いのほか苦戦しているようです。NATOから入手している携帯可能な対戦車ミサイルでロシア軍を足止めしていると見られています。
当初よりもロシアとウクライナとの協議が一方的にロシア有利という流れでも無くなってきているように見えますが、リスクを取って軍事介入を仕掛けた以上ロシアも簡単には引き下がらないと見られ、まずは本日の協議が注目されます。仮に停戦合意となった場合でも、その内容次第では長期的に緊張状態が続く可能性も高く、基本はリスクオフという見方でよいかと思います。
テクニカルにも見てみましょう。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
大きくは赤の水平線で示した1月28日安値7.32と2月10日高値7.71との間での動きです。平行上昇チャンネル(ピンク)を下抜けてからもこの上下の中での動きですが、サポートを下抜けたことで以前のサポートがレジスタンスとなりやすくなります。今週末には同ラインは7.58レベルまで上がってきます。
いっぽうで下値については1月28日安値を考えておくと良いと思いますので、今週は7.32レベルをサポートに7.58レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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