南アランド週報:『地政学的リスク再燃で再び下落。地合いの悪化に要注意』(3/5朝)

南アフリカランドの対円相場は、今週半ばにかけて、1/31以来、約1ヵ月半ぶり安値となる7.39円まで下落しました。

南アランド週報:『地政学的リスク再燃で再び下落。地合いの悪化に要注意』(3/5朝)

『地政学的リスク再燃で再び下落。地合いの悪化に要注意』

〇今週の南ア円、地政学的リスクの高まり、南ア指標悪化に週央7.39まで下落
〇売り一巡後は南アPMIの好調と、第2回停戦協議への期待に7.63まで反発
〇週末にかけてはロシアの原発攻撃にリスク回避の新興国通貨売りの流れが再開7.49前後で推移
〇南ア円、市場参加者に意識されていた200日線を下方ブレイク、テクニカルの地合いの悪化
〇ファンダメンタルズも南アフリカランド円のダウンサイドリスクを連想させる材料増加
〇目先は7.37円前後に位置する90日移動平均線を試すシナリオを想定
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.65

今週のレビュー(2/28−3/4)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.63円で寄り付いた後、@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの高まりや、A上記@を背景とした世界的なリスクオフ(市場心理悪化→新興国通貨下落)、B南ア1月貿易収支(結果36億ZAR、予想173億ZAR)の黒字幅縮小、C南ア1月財政収支(結果▲659億ZAR、予想▲620億ZAR)の赤字幅拡大が重石となり、週央にかけて、週間安値7.39円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、D南ア2月民間PMI(結果50.9、予想50.3)の良好な結果や、Eロシア・ウクライナの第2回停戦協議開始(リスク回避ムード後退)、F株式市場の持ち直し、Gプラチナ価格の急上昇が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値7.63円まで反発しました。もっとも、Hロシア・ウクライナを巡る警戒感(ロシアによるウクライナの原子力発電所への攻撃)が再燃すると、Iリスク回避の新興国通貨売りの流れが再開し、本稿執筆時点(日本時間3/5午前4時10分現在)では7.49円前後で推移しております。

来週の見通し(3/7−3/11)

南アフリカランドの対円相場は2/10に記録した約3ヵ月半ぶり高値7.73円をトップに反落に転じると、今週半ばにかけて、1/31以来、約1ヵ月半ぶり安値となる7.39円まで下落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を下抜けした他、市場参加者に意識されていた200日移動平均線も下方ブレイクするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります。ファンダメンタルズ的に見ても、@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念(市場心理悪化→有事のドル買い→新興国から米国への資金流出圧力)や、A米FRBによるタカ派傾斜観測、B南アフリカ中銀による利上げ打ち止め観測(スタグフレーション懸念が燻る中、南アフリカ中銀は追加利上げに慎重なスタンスを取ってくる可能性あり)、C上記ABを背景とした米国と南アフリカの金融政策格差、D南アフリカ経済の先行き不透明感(エネルギー価格高騰に伴うインフレ昂進や国営電力会社エスコムによる計画停電)、

E南アフリカ国内の政情不安(過去最高水準の失業率)など、南アフリカランド円相場のダウンサイドリスクを連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は3/8に予定されている南ア第4四半期GDPや、3/10の南ア第4四半期経常収支、南ア1月製造業生産高など、南アフリカの経済指標が複数予定されておりますが、市場の関心はやはり、ロシア・ウクライナを巡るヘッドラインに集中しそうです(基本的には地政学的リスク長期化→市場心理悪化→リスクオフ→新興国通貨下落の波及経路を想定)。目先は7.37円前後に位置する90日移動平均線を試すシナリオを想定。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.65

注:ポイント要約は編集部

『地政学的リスク再燃で再び下落。地合いの悪化に要注意』

南アランド円日足

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