露がついにウクライナ侵攻、続報などに注意(2/24夕)

24日の東京市場でドル安進行。一時114.40円台まで下落し、22日安値を下回る局面も観測されている。

露がついにウクライナ侵攻、続報などに注意(2/24夕)

露がついにウクライナ侵攻、続報などに注意

〇本日のドル円、ロシアのウクライナ東部への軍事作戦実施でドル安進行、一時114.40まで下落
○ウクライナ情勢についての市場の若干の楽観視が一転、為替も株式も一気に値を下げる
○原油価格上昇。北海ブレント原油の先物価格、7年5ヵ月ぶりに「1バレル=100ドル」台を示現
〇バイデン米大統領「プーチン氏は破滅的な戦争選んだ」とロシアの軍事作戦を強く非難
〇114.40レベルの90日線を下回ると次のサポートは2月安値114.16、さらに下回れば114円割れも
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.90-115.00、上値は重い

<< 東京市場の動き >>

24日の東京市場でドル安進行。一時114.40円台まで下落し、22日安値を下回る局面も観測されている。

ドル/円は115円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。115円挟みの一進一退をたどるなか、インタファクス通信が「プーチン氏、ウクライナ東部への軍事作戦実施を表明」と伝えると、一気にドル売り・円買いがかさむ展開となった。夕方に掛けては114.40円台、22日安値を一時更新した。その後もドルは冴えない動きで、16時現在114.45-50円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、ロシアのウクライナ侵攻を受け原油価格が上昇。北海ブレント原油の先物価格は2014年9月以来、7年5ヵ月ぶりに「1バレル=100ドル」台を示現していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」について。
日米欧などが様々な対露制裁を発表するなか、米国防総省のカービー報道官は「ロシア軍はウクライナ侵攻の準備を整え、いつでも攻撃可能」と発言。ブリンケン米国務長官からも「ロシアは現地24日夜明けまでにウクライナ侵攻」との発言が聞かれたものの、市場はまだ若干楽観視していた。実際、NYダウなど米株市場はともかく、為替市場では目立ったリスク回避の動きなども見られないなか、前述したインタファクス通信報道が伝えられると為替も株式も一気に値を下げている。
また、その後も「ウクライナの複数都市で空爆が始まった可能性」との報道や、ウクライナ外相から「ウクライナの都市が攻撃を受けている」との発言も伝えられるなど、現地の情勢が続々伝えられるが、いずれにしても最悪の状態に陥ってしまった感は否めない。なお、そうしたなかバイデン米大統領は「プーチン氏は破滅的な戦争選んだ」とし、ロシアの軍事作戦を強く非難している。

<< 欧米市場の見通し >>

為替市場はウクライナ情勢を懸念しつつも過小評価していたのか、ドル/円も115円挟みと底堅く推移していたものの、実際に「ロシア軍が侵攻した」と伝えられると、さすがにリスク回避志向が一気に強まった。ただ、テクニカルには過去5ヵ月ほど、おおむねドルの下値を維持している移動平均の90日線前後では取り敢えず下げ止まっており、まずはその攻防に注目だ。しっかり下回ると114円割れ、1月安値の113.47円も視界内に捉えられかねない。
日米を中心とした金融政策に対する警戒感が根底にはあるものの、「ロシア軍が実際に侵攻した」という状況下では、やはりウクライナ情勢がこれまで以上に市場の関心を呼んでいることは間違いない。そんなロシアに対し、国連事務総長から「軍事侵攻停止」要請が発せられるなど、各国で様々な動きが観測されているが、果たして動きが止まるのか甚だ疑問だ。むしろ、以前に米CNNが「ウクライナの首都キエフは、ロシア軍が空と地上から全面侵攻された場合、48時間で陥落する恐れもある」と報じていたことがあるように、戦闘激化など次のステップのことも頭に入れておく必要があるのかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は「ロシア軍のウクライナ侵攻」報道もあり、移動平均では21日線をしっかり割り込むと、本稿執筆段階、本日の東京クローズベースでは90日線(114.40円レベル)に近い水準での推移だ。まずは同レベルの攻防に注目で、90日線を下回ると、次のサポートは2月安値の114.16円。このレベルは安値113.47円を起点とした上げ幅の76.4%押しにもほぼ相当する。そのレベルも下回ると、いよいよ114円割れも。

材料的に見た場合、中長期的にはロイターが報じた「不動産開発・世茂集団、来月満期の資産担保証券11億元の償還不可能になる恐れ」が一部で話題となっていた「中国情勢」、イタリアも3月末で非常事態宣言終了が発表された「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、10-12月期GDP改定値や1月のシカゴ連銀全米活動指数などが発表されるほか、米財務省による7年債の入札やメスター・クリーブランド連銀総裁による講演などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.90-115.00円。114.70-80円に弱い抵抗があるほか、21日線が位置する115円絡みはなかなか強い抵抗か。ただ、いずれにしても上値はかなり重いイメージ。
対するドル安・円高方向は、東京安値の114.40円台が最初のサポート。90日線も近くに位置している。割り込んだ場合、一足飛びにとどくか否かは別にして114円割れも意識しておいて損はなさそうだ。

露がついにウクライナ侵攻、続報などに注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る