ユーロドル、ロシアの予想外のウクライナ全土侵攻で1.12割れへ急落
24日の東京市場でユーロドルは急落。朝方1.1305レベルで取引が始まったユーロドルは、寄り付き直後に1.1313の高値をつけた後じり安推移し、午前中に1.13割れを示現。1.1280レベルで推移していた正午前、国連安全保障理事会の緊急会合開催中に、プーチン大統領がウクライナでの軍事作戦開始をタス通信を通じた演説で宣言しました。
これを受けてユーロドルは急落、午後1.12を前にいったん反発しましたが、夕刻欧州勢参入後1.1261レベルで頭の重さを確認すると、再び下げに転じ1.12割れ。東京時間23:00現在は1.1161レベルで取引されています。
この間、ロシア政府はファシストからのウクライナの開放を作戦の目的と説明、ウクライナ軍に対し武装解除を求めて、複数の都市へ空爆、地上侵攻を実施、プーチン大統領は再三、他国による妨害を受けた場合には核戦争をも辞さない構えを示唆する発言を繰り返すなど、情勢は刻一刻と悪化。
米国等が事前に軍事侵攻の高い可能性を警告はしてはいたもの、CNNは東部地域のみならず、クリミア、首都キエフ近郊など全土で、空爆、戦車部隊や空挺部隊による地上侵攻等の軍事作戦が行われていることを伝えており、想定より大規模にかつ周到に軍事侵攻が実施されている印象です。
テクニカルにはユーロドルは本日の下落で、1/28安値1.1121からの上昇の76.4%戻し1.1209を下抜けて、現在は1.1121がターゲット。この水準を下抜けると日足レベルでのサポートはなく、週足レベルで、2020年3月安値1.0636から2021年1月高値1.2349までの上昇の76.4%戻し1.1040を目指す動きとなります。
第二次世界大戦後欧州で初めての戦争開始、プーチン大統領の金正恩の発言かと耳を疑う核を人質としての西側諸国への恫喝と、全く先の読めない次元に事態が移行してしまった現在、市場がレベル感を求める際に頼れるのはテクニカルのみと考えられ、これらの水準は重要となってくるでしょう。
23:30現在欧州の主要株価指数は軒並み4%超の下げ。NYダウは700ドル超の下落です。
ユーロドル日足
ユーロドル週足
オーダー/ポジション状況
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