ドル円、下落後に急反発。リスク回避の「円買い」から有事の「ドル買い」に転換(2/25朝)

24日(木)のドル円相場は下落後に急上昇。

ドル円、下落後に急反発。リスク回避の「円買い」から有事の「ドル買い」に転換(2/25朝)

ドル円、下落後に急反発。リスク回避の「円買い」から有事の「ドル買い」に転換

〇ドル円、地政学的リスクの高まりによるリスク回避の円買い圧力から欧州時間早朝114.42まで急落
〇売り一巡後は有事のドル買いにシナリオ転換、経済指標の好結果など受け米国時間午後115.69まで急伸
〇ユーロドルは1.1107まで急落、世界的なリスクオフや蘭TTF天然ガス先物の60%超の大暴騰などが重石
〇ドル円、一目均衡表の雲上限を上抜けするなど、地合い好転を印象付けるチャート形状
〇米当局者からタカ派的発言相次ぎ、大幅利上げや早期QT着手の思惑広がるなどドル高・円安の材料増
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:115.00ー116.00

海外時間のレビュー

24日(木)のドル円相場は下落後に急上昇。@ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した地政学的リスクの高まりや、A上記@を背景とした世界的なリスクオフ(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、欧州時間早朝にかけて、安値114.42まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、Bリスク回避の円買いから有事のドル買いへのシナリオ転換や、C米1月シカゴ連銀全米活動指数(結果+0.69、予想+0.16)の力強い結果、D米新規失業保険申請件数(結果23.2万件、予想23.5万件)の良好な結果、Eリッチモンド連銀バーキン総裁による「ロシアによるウクライナ侵攻は、FRBの利上げ方針の背景となる論理的裏付けを変えることはない」とのタカ派的な発言、Fサンフランシスコ連銀デイリー総裁による「FRBは政策を引き締める必要性がある」とのタカ派的な発言、Gアトランタ連銀ボスティック総裁による「より正常化された金融政策に戻る準備は出来ている」とのタカ派的な発言、H米長期金利の急上昇(米10年債利回りは1.85%から1.97%へ急上昇)、I米主要株指数の下げ幅急縮小(市場心理の改善)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値115.69まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/25午前5時45分現在)では、115.62前後で推移しております。

24日(木)のユーロドル相場は大幅下落。@ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した地政学的リスクの高まりや、A上記@を背景とした世界的なリスクオフ到来(欧州株急落+有事のドル買い)、B欧州経済の先行き不透明感(ロシアから35%輸入している天然ガス価格高騰→欧州の天然ガス価格の指標となるオランダTTF天然ガス先物は前日比60%超の大暴騰→欧州経済への下押し圧力)、C上記Bを背景としたECBによる金融引き締め観測の後退、Dテクニカル的な売りシグナル点灯(心理的節目1.1200や1/28に記録した直近安値1.1121を下方ブレイク→短期筋のストップSELL誘発)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1107まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、ショートカバー主導で持ち直し、本稿執筆時点(日本時間2/25午前5時45分現在)では、1.1205前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は欧州時間に記録した安値114.42をボトムに反発に転じると(一目均衡表雲下限にサポートされると)、米国時間午後にかけて高値115.69まで急伸しました。この間、一目均衡表雲上限や21日移動平均線、一目均衡表基準線や転換線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も再点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります。

ファンダメンタルズ的に見ても、@ウクライナを巡る地政学的リスクに対する市場の反応が「リスク回避の円買い→有事のドル買い」に転じつつあることや、A資源価格高騰(原油や天然ガスなど)を背景とした世界的なインフレ懸念、B上記Aを背景とした米FRBのタカ派傾斜観測(昨日は複数の米当局者からタカ派的な発言が相次ぐ結果→次回3月FOMCに向けての大幅利上げ観測や早期QT着手の思惑が広がる展開)、C日銀による金融緩和スタンスの明確化(黒田日銀総裁は昨日も「欧米と違って直ちに金融緩和の縮小に動くことはない」と発言)、D上記BCを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差の更なる拡大)など、ドル高・円安を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米1月PCEコアデフレータ(FRBが最も重視するインフレ指標)に注目が集まります(日本時間22:30に発表予定)。市場予想の前年比5.1%や前月比0.5%を上回る結果となれば、次回FOMCでの大幅利上げ観測を織り込む形で、米長期金利上昇→米ドル高の流れがもう一段加速する恐れがあるため、本日海外時間はドル円のアップサイドリスクに注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:115.00ー116.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、下落後に急反発。リスク回避の「円買い」から有事の「ドル買い」に転換

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