NZ中銀の金融政策記者発表要旨
昨日のNZ中銀の金融政策会合で、オフィシャルキャッシュレート(OCR)を現行の0.75%から1.00%に利上げを実施しました。また、保有債券の減少も始めることで合意しています。
また、経済見通しでは息の長い成長見通しに2022年3Q以降のGDPを上方修正、それに伴う消費者物価指数も上方修正しています。この結果、OCRも来年には3%越えまでの利上げを見込んでいます。以下はNZ中銀金融政策記者発表要旨です。
(要旨の一部和訳)
本日、金融政策委員会はオフィシャルキャッシュレート(OCR)を1.00%に引き上げた。委員会はまた、債券の満期と管理売却の両方を通じて、巨額債券購入プログラム(LSAP:Large Scale Asset Purchase programme)の下で、中銀保有債券の緩やかな減少を始めることで合意した。
委員会は、物価安定と持続可能な最大雇用を支援するために、金融刺激策を減らし続けることが適切であると合意した。
世界経済活動の水準は、供給チェーンの継続的な混乱による悪化もあり、インフレ上昇圧力をもたらしている。しかしながら、世界経済成長のペースは減速した。これはCOVID-19の持続的な影響により作り出された不確実性の高まりや、金融情勢が2022年には全般的に引き締められるという明確なシグナルによる。
NZでは、現下の経済の強さは、家計や企業バランスシートの強さ、財政政策支援、あるいは継続的な輸出増による。しかしながら、増加する現在のCovid-19による健康課題により、幾つかの短期的な経済混乱が予想されている。NZでの高率なワクチン接種がこの混乱を減らすのに著しく役立っている。
経済における稼働率は依然として引き締まっている。雇用は今では最大の持続可能な水準を超えている。幅広い経済指標ではNZ経済が現在の潜在力を越える状況であることを強調している。
消費者物価総合指数は中銀目標レンジを大きく越えている。しかし、今後何年かで目標とする2%中央値に戻るであろう。直近のインフレ上昇は原油価格高、輸送コスト上昇、供給不足の影響により強調されている。これら即時に跳ねかえる相対的な物価動向は、現在の国内生産稼働能力の制約を考えると、一般的により価格上昇を生み出すリスクがある。
成長や雇用の中期見通し、あるいはインフレの上昇リスクを考えると、金融刺激策のさらなる撤廃が予想されることで合意した。
(以上)
(注)NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。(出所:NZ中銀HP)
以下は中銀のOCRとGDP等の先行き予想です。
(1) 中銀のOCR見通し
.
(2) 中銀のGDPとCPI見通し
GDPとCPIは今年3Q以降を上方修正しています。
NZドル米ドル相場は、中銀金融政策前に0.6740付近で推移していましたが、中銀の利上げ実施と先行き経済や物価の上方修正を受け、NY時間にかけて0.6810まで上昇し、0.6772でNYは終了しました。
24日に入り、プーチンロシア大統領がロシアとウクライナの兵士間の衝突は避けられないとか、特別な軍事行動を開始することになるなどの発言からリスク回避のオセアニア通貨売りにNZドルは0.67付近まで売られています。
相場はシカゴ322内で書いた0.6720〜30の抵抗線を越えて0.68台までトライしましたが、再度0.6720絡みで推移しています。但し、抵抗線を抜けたことで、目先は0.6640〜0.6810のNZドル高トレンドを形成しています。中期のNZドル安は変わりませんが、やや戻り高を試せる位置にいます。このレンジ間のサポートとして0.6690〜0.6700があり、ここを切れば0.6640方向をトライする動きになります。逆に0,67を守ればまだNZドルの戻りが期待できそうです。
(2月24日14:45、1NZドル=0.6726米ドル)
次回のNZの金融政策は2022年4月13日(水曜日)に予定されています。
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