米消費者物価注目、強い数字はほぼ織り込み(2/10夕)

10日の東京市場はドルが小幅に続伸。一時115.70円レベルを示現し、1月28日の前回高値をわずかながら更新した。

米消費者物価注目、強い数字はほぼ織り込み(2/10夕)

米消費者物価注目、強い数字はほぼ織り込み

〇本日のドル円、ドル買い優勢で115.70レベルまで続伸し1/28高値をわずかに更新
〇英国は「隔離義務撤廃を1ヵ月前倒し」、スウェーデンは事実上の「コロナ終息宣言」
〇本日発表の米消費者物価指数、発表前後からのトレンド転換を警戒する声も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.00-116.00、
〇ドル安・円高方向は115円半ば、昨日安値115.32などが短期サポート

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場はドルが小幅に続伸。一時115.70円レベルを示現し、1月28日の前回高値をわずかながら更新した。

ドル/円は115円半ばで寄り付いたものの、それほどハッキリした動意なし。NY時間に発表される米消費者物価指数待ちといった様相で、値幅も20ポイント強にとどまった。ただ、リスクそのものは上方向で、狭いなかでもややドル買い優勢。夕方には前回高値115.68円を超える115.70円レベルを一時示現し、16時現在そのままドルは日中高値圏で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、米国防総省報道官が「ロシアはウクライナとの国境沿いで軍備を増強し続けている」と発言した反面、ロシアサイドはリャプコフ外務次官が「西側諸国がウクライナ支援に向けて武器や弾薬を供給、ロシア政府への政治的圧力を強めている」と指摘するなど、双方の非難合戦から泥沼化しつつある感も。一方、7-8日にプーチン露大統領そしてゼレンスキー・ウクライナ大統領とそれぞれ会談を行ったマクロン仏大統領がバイデン米大統領と会談。ウクライナ問題などについて協議を行ったが、その内容はというと同盟国やパートナー国と緊密に連携して外交努力を続けることを確認した程度にとどまったもようだ。

対して後者は、スペインの国王フェリペ6世が新型コロナウイルス検査で陽性に。またデンマークでも、女王マルグレーテ2世による新型コロナ感染が確認されている。ただ、そうしたなか英国はジョンソン首相が「隔離義務撤廃を1ヵ月前倒し」する旨を発表したほか、スウェーデンは事実上の「コロナ終息宣言」を行い、ほぼすべての新型コロナウイルス制限措置を解除した。感染者が拡大している日本や韓国ではいまだ規制強化の流れにあるものの、世界の潮流は規制撤廃の方向に向かっている感じだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円はドル高基調が続いており、本日東京時間ついに115.68円のレンジ上限を上抜けている。このあとの欧米時間にドルの続伸を期待する声は少なくなく、「しっかり」超えられなかった先の115.68円を超えていけば116円台回復、年初来高値の116.35円も視界内に捉えられかねない。
先週末に発表された雇用統計の好数字もあり、「米積極利上げ」見通しが復活するなか、市場では本日NY時間に発表される1月の米消費者物価指数を注視している向きが少なくない。ちなみに、事前予想では前回数値を上回る前年比プラス7.0-7.5%といった伸びが予想されているようだ。ただし、もちろん発表される米経済指標の内容次第ながら、前述したように米消費者物価指数はかなりの好数字が見込まれており、それを織り込んで足もとなどのドル高が進行してきた感もある。つまり、良い数字よりも期待外れとなる悪い数字への反応が大きいことも予想され、発表前後からのトレンド転換を警戒する声も一部で指摘されていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円は2週間近くたどってきた115.68円を上限としたレンジを一時上抜けたものの、「しっかり」とは超えられず。ここ数年、たびたび確認されている「レンジを多少拡大させただけで、結局レンジに回帰する」こともないとは限らない、やや微妙なレベルで足もとは推移している。いまだ予断を許さない。本日NY時間、米消費者物価指数の発表という注目要因が予定されるなか、ドル続伸の有無が注視されており、次なるトライでレンジ上限をしっかり超えれば116円台回復も。

材料的に見た場合、中長期的には昨日恒大集団の許会長が社内会議で、「建設作業や販売活動を完全に再開するのが債務をなくす道」などと述べたとされる「中国情勢」、日本ももちろん過去最多の感染者が観測された韓国を中心とした「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、1月の消費者物価指数ならびに週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。また、米財務省による30年債の入札実施やコカ・コーラやツイッターなどの米企業の決算発表にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.00-116.00円。本日東京高値である115.70円レベルの攻防にまずは注目。しっかり上抜ければ116円台回復も。さらに年初来高値116.35円トライも否定できない。
対するドル安・円高方向は、ドルの下値が少しずつ切り上がっている感があり、目先は東京安値の115円半ば、そして昨日安値115.32円などが短期サポートとして意識されそうだ。それらを下回れば、115円割れに位置する移動平均の21日線がターゲットに。

米消費者物価注目、強い数字はほぼ織り込み

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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