米雇用統計発表後もレンジ内、方向性乏しい(2/7夕)

週明け7日の東京市場はドルが底堅い。20ポイント強のレンジ取引ながら一度も115円を割ることなく、ドルの基調の強さが目に付いた。

米雇用統計発表後もレンジ内、方向性乏しい(2/7夕)

米雇用統計発表後もレンジ内、方向性乏しい

〇本日のドル円底堅く115円割らず、20ポイント強のレンジ取引で16時現在115.30-35で推移
〇米利上げ、ブルームバーグは「3月に0.5ポイントとの見方が強まる」と指摘
〇本日は米独首脳会談やECB総裁が欧州議会の定例公聴会に出席、要人発言に注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.80-115.70。115.40レベルが目先の抵抗
〇ドル安円高方向は、115円を下回れば移動平均の21日線も近い114.70-80が意識される

<< 東京市場の動き >>

週明け7日の東京市場はドルが底堅い。20ポイント強のレンジ取引ながら一度も115円を割ることなく、ドルの基調の強さが目に付いた。

先週末は、オランダやフィンランドの中銀総裁から「ECB年内利上げ」を予想する発言が聞かれるなか、米補佐官から「ロシアが北京五輪開催中でもウクライナ侵攻の可能性がある」との発言が聞かれると思惑を呼ぶ。
そうした状況下、ドル/円は115.20円前後で寄り付いたものの、日米株価の動きなどをにらみつつ115円台前半での一進一退。「春節(旧正月)」明けで市場に戻ってきた中国勢の動意が関心を集めていたほか、日経平均株価がザラ場ベースで一時250円を超える下落をたどったが、ともに影響は限られている。16時現在では115.30-35円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、症状が軽いとはいえ、「トルコ大統領がオミクロン株にコロナ感染」したことが明らかになったほか、英国の疫学専門家グループが「将来的に新型コロナウイルスの大規模な感染の波が国内で発生する現実的な可能性がある」と警告を発したとして話題に。ただロイターは、「米国のコロナ死者が90万人を超えた」と指摘したうえで、「一日当たりの死者数は横ばいになり始めている」とピークアウトした可能性を取り沙汰していた。
対して後者は、前述した米補佐官の発言に加え、米紙による「米当局はロシアが『2日間でウクライナ制圧が可能』と分析していることがわかった」との内容が市場の警戒感をさらに高める。また、米バイデン政権が派遣した米軍部隊の第一陣300人が欧州に到着したことが明らかになったほか、「米国が、ロシア軍がウクライナに侵攻した場合の経済制裁を検討するよう日本側に求めていることが分かった」との報道も観測されるなど、日本も対岸の火事ではなくなっているようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

先週の為替市場は米経済指標に振り回される展開。ただ、週末に発表された米雇用統計は予想を大きく上回る好数字ながら、レンジを上抜けていくには至らなかった。ドル/円は1月28日につけた115.68円が引き続き目先の抵抗として寄与、その攻防が注視されている。超えていけば116円台回復も否定できないが、現在形成中の114.16-115.68円といった新レンジ内での動きがしばらく続くといった見方も少なくない。
一時期後退した感もあった「米積極利上げ」見通しだが、先週末の米雇用統計好数字を受けて再び勢いを増している。実際、ブルームバーグでは「3月に0.5ポイントとの見方が強まる」と指摘していた。いずれにしても、「利上げに消極的」という日本とは対照的であることは確かで、基本的に円を買いにくい地合いであることは間違いなさそうだ。そうしたなか、市場で不安視されているものが前段でも取り上げた「ウクライナ情勢」。各国首脳など要人による2国間会談などを含め、動静はしっかりと見極めたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末の米雇用統計でもレンジを上抜けられず、結果的に114.16-115.68円という1.5円レンジは早くも2週間近くへと及んでいる。次の市場の関心は、この1.5円レンジを「いつ」そして「どちらに抜けていくのか」だが、しばらくは次の方向性を探る展開が続くといった見方が有力か。ただ、115.68円を超えれば116円台回復が見込まれる反面、底割れすれば113円台も。

材料的に見た場合、中長期的には北京五輪開幕と絡めて各国首脳などとの積極的な会談を実施している「中国情勢」、先週発表された米雇用指標もあり経済的な側面からの影響が様々に噂されている「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月の消費者信用残高が発表されるものの、市場の関心は薄く基本的にはノーインパクトか。しかし、対面式の米独首脳会談が実施されるほか、ECB総裁が欧州議会の定例公聴会に出席する見込みだ。要人発言などには注意が必要かもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.80-115.70円。本日東京で示現した115.40円レベルが目先の抵抗。超えれば前回高値115.68円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、115円前後の攻防にまずは注目。しっかり下回ると移動平均の21日線も近い114.70-80円が意識されそうだ。

米雇用統計発表後もレンジ内、方向性乏しい

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