トルコリラ円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが「トルコリラ安の動きを再開する可能性が高そうで、8円の大台を下抜け、次の節目でもありテクニカルなターゲットにも近い7.50レベルをサポートに、8.50レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは安値が6.56レベル、高値が8.28レベルと、8円の大台どころか7円の大台も割り込む続落の展開となりました。
先週のトルコリラは16日にトルコ中銀が予想通り政策金利を1%引き下げ14.0%としましたが、コアCPIから見ても3%も低い政策金利となったことで、今後のインフレ悪化を嫌気したトルコリラ売りが続き、ついにランド円よりもトルコリラ円のレートの方が安いという事態になっています。
トルコ中銀は今後の緩和は考えていないことを声明文に含めたものの効果は見られず、また為替市場でも直接介入をしているもののトルコリラ安の歯止めは効かずと、対ドル、対円で史上最安値更新街道まっしぐらという状況に陥っています。
トルコリラ安は輸入物価上昇にダイレクトに影響し、トルコ国内では市民の不満はかなり高まっている状況です。今年のトルコリラ安の動きを対ドルで考えると2月の6.8921から今月の17.5267まで150%以上もトルコリラ安の状況となっています。いくらトルコ政府が賃金を上げる計画を示してもカバーできる通貨安ではありません。
一時販売を停止していたアップルも25%ほど価格を引き上げて販売再開していますが、この状況ではいつまた販売停止に戻るかという感じです。全世界で販売しているアップルはひんぱんでは無いものの為替レートを反映させて販売価格の更新を行いますので、同社のトルコ国内での動きは参考にしてもよさそうです。
テクニカルにはもはや未知の領域に入り込んでいますが、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
下の方に引いてある赤の太い水平線は先週も見た週足から逆N波動でターゲットを計算した場合の次のターゲットで5.23となっています。かなり遠いとは思うもののここ数週間の下げ幅を考えると節目の大台6円で止まるのか怪しいため、節目の6円とともに参考にしておいてもよい水準です。
今週もペースは鈍るもののトルコリラ続落の流れを考え、大台6.00円をサポートに大台7.00レベルをレジスタンスとする週を見ておくこととします。
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