新規材料乏しく、米FOMCにらみ基本はレンジ
〇本日のドル円、113.55-60まで一時値を上げそのまま高値圏を維持
〇ECBのデギンドス副総裁コロナ罹患、16日の金融政策委員会には参加予定
〇韓国の文大統領「北京五輪の外交ボイコットは検討していない」と明言
〇15日の米FOMC結果発表までは基本的にはレンジ取引が続くとの見方
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.10-113.90
<< 東京市場の動き >>
週明け13日の東京市場はドルが小高い。値幅そのものは30ポイント強と決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」の様相で見た目以上にドルが強いイメージ。
先週末、G7外相会合が開催され、そのなかで「中国の威圧的な経済政策への懸念で一致」したことが明らかにされたうえ、南アフリカの大統領によるコロナ感染が発表されるなど、新型コロナへの警戒感が改めて取り沙汰されていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた113.20円台を日中安値にじり高推移。上値も重かったが、それでも113.55-60円まで一時値を上げている。そののち、荷もたれ感も台頭し上げ渋るも底堅く、ドルは113円半ばで強保ち合い。結局、16時現在ドル/円はそのまま高値圏を維持し、欧米市場を迎えていた。
なお、トルコリラは本日東京で再び売られると、対ドルなどでは史上最安値を再び更新する局面も。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「北京五輪」について。
前者は、ジョンソン首相から「英国はオミクロン感染の高波に直面」との発言が聞かれたうえで、追加接種の期限前倒しが明らかにされている。また、前述したように南ア大統領が新型コロナに感染したことに続き、ECBから「デギンドス副総裁もコロナに罹患した」と発表されていた。ちなみに、ECBは今週木曜日の16日、大事な政策金利などを決定する金融政策委員会を開く予定だが、現状デギンドス氏もどういった形になるかは不明ながら会合には参加する予定だという。
対して後者は、米英豪加などが「外交的ボイコット」を表明しているだけでなく、幾つかの報道を見ると日独も「ボイコット」へと傾斜している感があるものの、いまだ態度を明確にせず。実際、林外相は「外交ボイコットは総合的に判断する」とし、依然として玉虫色のコメントを発していた。それに対して、韓国の文大統領は訪問先の豪州で「北京五輪の外交ボイコットは検討していない」と米国などに与しないことを明言したという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は引き続きレンジ内の値動き。期間をどこから取るのかによるが、もっとも短い先週火曜日以降、約1週間は形成レンジ113.22-95円に依然としてとどまっている。まずは、その73ポイントレンジをめぐる攻防に注目だが、週央15日に注目の米FOMCの結果発表が予定されていることもあり、それまでは基本的にはレンジ取引が続くとの見方も取り沙汰されていた。
日米欧英など各国の金融政策に対する関心は依然として高いなか、今週は先で取り上げた米FOMCのほか、日欧英もそれぞれ中銀が政策金利に関する発表を行う見込みだ。そちらも併せて注意しておきたい。またオミクロン株については、弱毒性の可能性が噂されているものの、先でも取り上げたようにECB副総裁が罹患するなど、新型コロナの感染はまだまだ予断を許さない。引き続き注意を払っておいても損はなさそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は過去1週間と考えると1円も動かない113.22-95円レンジ。上抜けた場合にはフィボナッチポイントの114.40円がターゲットとなる反面、底割れすると週間安値112.73円などが視界内に入ってくることになりそうだが、果たしてそんなレンジ放れを実現するのだろうか。また、先週末にかけての動きをみると、レンジをわずかに下放れたりすることもあるが、結果としてレンジ内に回帰。形成レンジを少し拡大させただけで終わる可能性もある。
材料的に見た場合、中長期的には、G7外相会合における「威圧的な経済政策への懸念で一致」との指摘に対しこのあと反発が予想される「中国情勢」、ワクチン追加接種がオミクロン株への効果があるとの論調も散見され始めた「新型コロナ株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、とくに目立った発表はなし。また、「ブラックアウト期間」で通貨当局者らの発言機会もないなど、新規材料には欠けそうだ。ただ、ブリンケン米国務長官が現在ASEAN加盟国を訪問していることもあり、対中に関する米国を中心とした政府要人発言には一応注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.10-113.90円。先週末高値の113.79円が最初の抵抗で、抜けると113.95円が意識されそうだ。後者も超えるといよいよ114円台へ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値も近い先週末安値の113.22円前後をめぐる攻防に注目。底堅いイメージながら、割り込めば一時的な113円割れも否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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