ランド円レポート月曜版
〇先週のランド円、安値7.40レベル、高値7.75レベルと予想レンジより動意ない一週間
〇下降トレンドの中、中期で高値切り下げるも間対立嫌気した売り等で前週安値下抜け
〇9/22安値7.31レベル視野に入れる動きには注意
〇米FOMC後パウエル議長からタカ派発言でれば、新興国通貨にとって悪材料
〇ドルランド、先々週の安値以降ドル買い強まり、8月高値14.682レベル上抜けると年初来高値更新か
〇今週は7.30レベルをサポートに7.60レベルをレジスタンスとする流れ
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「テクニカルなターゲット7.55レベルをサポートに、前週末戻り高値7.80レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.40レベル、高値が7.75レベルとなり、予想レンジよりも弱い値動きの一週間となりました。
先週のランド円は、週初はまだ底堅い動きを示していましたが、26日に南アの電力会社エスコムが計画停電の期間を延長することを発表したことで下落に転じ、さらに27日にオンラインで開かれた東アジア首脳会議でバイデン大統領が中国の国際秩序への脅威に対する懸念を表明し、これに対し中国李首相が南シナ海は全体的に安定を維持していると反論し応酬となったことで、米中間の対立を嫌気した売りが前週安値を下抜けさせ、そこでストップ売りが引っかかった動きが見られました。
前週前半までは買い材料が目立っていたのですが、下げ始めると売り材料が目立ってくるものです。ただ、エスコムの停電にしても中国の東アジアにおける問題も今に始まったことではなく、先週は既に下降トレンドに転じていたことで悪材料視されたに過ぎません。しかし、先週の下げで最近の安値圏である9月22日安値7.31レベルを視野に入れる動きとなってきた点には注意が必要です。
今週は南ア関連の材料ではこれといって目立った材料はありませんが、3日のFOMC後のパウエル議長会見でタカ派的な発言が出ると新興国通貨にとっては悪材料となりますので、まずはFOMCに注目、そして5日の雇用統計についてはよほど予想から外れた数字で無ければ一時的な変動要因としかならないと思いますが、ドルランドでドル買い・ランド売りの勢いが先々週の安値以降強まっていますので、今週もドルランドの動きに注意です。
ドル円でもドル買いの勢いは強いですが、週明けの動きは自民党が単独安定過半数となったことによる株高のリスクオンが円安となっているためで、ここから直近高値の114.70レベルまでは足取りが鈍くなりやすいでしょう。
今週は更なるドル高が懸念されるドルランドの週足チャートから見ていきます。
ドルランドは今年に入ってからの高値が徐々に切り下がっていますが、その間に両肩が2つある逆ヘッド&ショルダー型の反転パターンを形成してきました。現在は切り下げている高値のレジスタンスライン(青)がそのまま反転パターンのネックラインとなっていて、8月高値14.682レベルを明確に上抜けてくると年初来高値更新を目指すチャートとなりそうです。その時にはランド円も9月22日安値を下抜ける動きとならざるを得ないでしょう。
また昨年高値と今年安値の半値戻しが16.358となっていて、中長期的には同水準を目指してもおかしくなさそうですが、今週では無さそうですのでドルランドの上値トライのリスクを考えながら、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
やや急ではあるものの先々週の高値からピンクの平行線で示した下降チャンネルの中での推移となっていて、ドルランドが上抜けする時には9月22日安値(赤の水平線)を試すいっぽうで、上値については先々週安値が戻りの限界点となってきそうです。
今週は引き続きランドが弱い地合いを考え7.30レベルをサポートに、7.60レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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