南アランド週報:『約3週間ぶり安値圏へ急落。来週も続落リスクに要警戒』(10/30朝)

南アランド円相場は10/20に記録した約4ヵ月ぶり高値7.95円をトップに反落に転じると、週末にかけて約3週間ぶり安値となる7.41円まで急落しました。

南アランド週報:『約3週間ぶり安値圏へ急落。来週も続落リスクに要警戒』(10/30朝)

『約3週間ぶり安値圏へ急落。来週も続落リスクに要警戒』

〇南ア円、貴金属市場の堅調や南ア景気先行指数の好調に週前半7.77まで上昇
〇その後は貴金属反落、計画停電延長、PPI不冴えで7.41に急落。7.48レベルで越週
〇南ア円、90日線、200日線を下抜け、テクニカルの地合い急速に悪化
〇ファンダメンタルズも結びつきの強い中国の景気減速懸念等下落材料増える
〇南ア円続落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.30ー7.60

今週のレビュー(10/25−10/29)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.65円で寄り付いた後、@貴金属市場(南アフリカの主要産品である金やプラチナ)の堅調推移や、A南ア8月景気先行指数(結果127.9、予想122.0)の力強い結果が支援材料となり、翌10/26にかけて、週間高値7.77円まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、B貴金属市場の反転急落や、C上記Bを背景としたリスク回避ムード、D国営電力会社エスコムによる計画停電の延長(南アフリカ経済への下押し圧力)、E南ア9月生産者物価指数(結果7.8%、予想7.3%、※前年同月比)の予想比上昇(インフレ懸念→実質金利低下)、F中期財政計画(MTBPS)の1週間先送り(当初予定されていた11/4から11/11に発表を延期→極めて異例のサプライズ)が重石となり、週末にかけて、約3週間ぶり安値となる7.41円(10/7以来)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、結局7.48円前後での越週となっております。

来週の見通し(11/1−11/5)

南アランド円相場は10/20に記録した約4ヵ月ぶり高値7.95円をトップに反落に転じると、週末にかけて約3週間ぶり安値となる7.41円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線を下抜けした他、90日移動平均線や200日移動平均線も下方ブレイクするなど、地合いの急速な悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります。来週は強い売りシグナルを示唆する三役逆転が成立するか否かに注目が集まりそうです(三役逆転が成立すればもう一段南アランドが売り込まれる恐れあり)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の先行き不透明感(今週は電力会社エスコムが2000メガワットの電力供給削減再開を発表した他、計画停電も延長)や、A南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気速懸念、Bインフレ高進に伴う南アランドの実質金利低下(今週発表されたPPIは市場予想を上回る大幅な伸びを記録→脆弱な南ア経済を背景に南ア中銀はインフレ退治の利上げに踏み込みづらく、結果として実質金利低下に伴う南アランド売りに繋がる恐れ)、Cスタグフレーション懸念を背景とした新興国から米国への資本流出圧力、D中期財政計画の発表先送りに端を発した南ア議会の紛糾懸念など、南アランド円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は11/1の南ア地方選挙(与党・アフリカ民族会議=ANCの支持率が低下すれば南アフリカの政情不安に繋がる恐れ)以外に特段南アフリカの経済イベントの発表が予定されていない為、伝統的金融市場や米国経済指標の結果に振らされる主体性に乏しい展開を予想いたします(株式市場や貴金属市場、米FOMCや米雇用統計を睨みながらの神経質な展開)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.30ー7.60

注:ポイント要約は編集部

『約3週間ぶり安値圏へ急落。来週も続落リスクに要警戒』

南アランド円日足

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