早くも調整一巡か、再びドル高進行の公算も(11/1夕)

週明け1日の東京市場はドルが小高い。レンジそのものは決して広くないが、「寄り付き安・大引け高」の様相で見た目以上にドルが強いイメージだった。

早くも調整一巡か、再びドル高進行の公算も(11/1夕)

早くも調整一巡か、再びドル高進行の公算も

〇本日のドル円、じり高推移で夕方には日中高値114.35前後まで一時値を上げる
〇週末衆院選の結果を好感し日経平均株価は終値ベースで754円の大幅高
〇中期的なドル高基調の調整局面、FOMC控え目先はレンジ取引が続くと予想
〇本日は10月製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数などの米経済指標が発表見込み
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.80-114.80

<< 東京市場の動き >>

週明け1日の東京市場はドルが小高い。レンジそのものは決して広くないが、「寄り付き安・大引け高」の様相で見た目以上にドルが強いイメージだった。

先週末は、G20サミットが開催され「法人税の最低税率を15%とする新たな国際課税ルール」が承認されている。また、それとは別に日本の衆院選が実施され、与党自民党は単独過半数となる261議席を獲得したことが明らかとなった。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた114円前後を日中安値にじり高推移。当初は114.25円レベルで上げ渋るも、上抜けると夕方には日中高値である114.35円前後まで一時値を上げている。前述した週末衆院選の結果を好感した面もあり、実際日経平均株価は終値ベースで754円もの大幅高。ドル/円も、16時現在114.30-35円という日中高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「衆院選と日本の政局」と「幾つかの国際情勢」について。
前者は、昨日投開票された衆院選は、与党自民党が単独過半数を獲得。それを受け、岸田首相からは「政権選択選挙において信任を得た」との発言も聞かれている。またすぐさま「年内に補正予算を成立させたい」といった意欲を示すコメントが発せられた反面、小選挙区選挙で敗北した甘利自民党幹事長の進退論が台頭しているほか、惨敗を喫した第1野党立憲民主党からも枝野代表や福山幹事長の交代論が声高に飛び交っていた。しばらくは与野党含め、日本の政局が騒がしそうだ。

対して後者は、週末に掛けてG20をはじめ、幾つかの興味深い国際会議や2国間協議などが実施され、それぞれ話題に。たとえば、亀裂の入った関係修復を望む「米仏首脳が直接会談」を行ったことが明らかになったほか、中国国家主席が欠席するなか「米中外相が台湾海峡問題などについて協議を実施」している。そのほか、米とEUが長年の「鉄鋼紛争」に終結で合意したことが判明したほか、米国のタイUSTR代表が15日に日本を訪れ、通商および経済関係について協議すると発表されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

中期的なドル高基調に変化はないものの、ドル/円はその調整局面。基本的には米FOMCなどをにらみ、目先はレンジ取引が続くと予想されるものの、本日の東京時間に一時114.35円レベルまで上昇するなど、再びドル買いが強まってきた感があることはやや気掛かり。今後の動きにも注意を払いたい。ちなみに、目先の抵抗だった114.31円を上回ってきたことから、テクニカルには年初来高値114.69円が再び視界内に。
今週半ば、3日に結果が発表される11月のFOMCで、米国のテーパリングが開始されるとの見方が市場のコンセンサス。さらに11月開始されるだけでなく、2022年半ばには完了するシナリオが、すでに市場にはほぼ織り込まれている感も否めない。金利差だけが相場の決定要因ではないが、それでも単純に日米金利差といったことを考えると、ドルはやはり底堅く推移する公算が大きそうだ。なお、本日は10月のISM製造業景気指数の発表が見込まれており、その内容も一応要注意。

材料的に見た場合、中長期的には、週末に発表された2つの経済指標が予想を下回るなど、経済成長などが声高に懸念されている「中国情勢」のほか、サキ米大統領報道官の感染が新たに判明するなど依然として根強い「新型コロナ問題」、「日米欧などの金融政策」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、10月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数などが発表される見込みだ。とくに後者の注目度は高く、予想値は前月から小幅に低下すると考えられているが果たして如何に。好数字なら好感したドル買いの可能性も。また、それとは別に実施される予定のイエレン米財務長官の講演などにも注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.80-114.80円。再び買われ過ぎの域にあるが、それでもビッドが非常に強い。年初来高値114.69円が再び視界内で、超えれば115円トライも。
対するドル安・円高方向は、これまで目先の抵抗だった114円が逆にサポートになりつつあるようだ。割り込んでも底堅そうで、113円半ばから後半に掛けて弱いサポートが幾つか存在、それらでは目先下げ止まりそう。

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ドル円日足

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