ドル円、上昇後に反落。重要イベントを控え様子見ムードが継続か
〇ドル円、衆院選後の本邦株価の上昇、中国のPMIの改善等に欧州朝方に114.46まで上昇
〇その後はイベント前ポジション調整、米長期金利伸び悩みに114円前後に反落
〇ユーロドル、欧州株の堅調、対英ボンドでのユーロ買い等で一時1.1609まで上昇し、底堅い動き
〇ドル円10/28の安値113.25をボトムに反発、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違い、株価の堅調等ドル円の上昇連想させる材料増える
〇ドル高トレンド継続をメインシナリオとして予想、但し、本日はイベント控え114円挟みのレンジ相場か
〇本日の予想レンジ:113.60ー114.40
海外時間のレビュー
週明け1日(月)のドル円相場は上昇後に反落。@衆院選で自民党が単独過半数を獲得したことに伴う安堵感(一部で過半数に届かないとの懸念もあったことから、市場ではポジティブに反応)や、A上記@を背景とした日経平均株価の急上昇(前営業日比754.39円高)、B中国10月財新製造業PMI(結果50.6、予想50.0)の良好な結果、C世界的な株高を背景としたリスク選好の円売り圧力、D日米金融政策の方向性の違いが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値114.46(10/20以来、約2週間ぶり高値圏)まで上昇しました。しかし、10/20に記録した直近高値114.71をバックに伸び悩むと、E重要イベントを控えた警戒感(ポジション調整)や、F米長期金利の伸び悩みが重石となり、本稿執筆時点(日本時間11/2午前6時15分現在)では、114.00前後まで反落する動きとなっております。尚、昨日発表された米10月ISM製造業景況指数(結果61.1、予想60.5)は市場予想を上回る結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。
週明け1日(月)のユーロドル相場は底堅い動き。@欧州株の堅調推移や、A上記@を背景としたリスク選好のドル売り・円売り圧力、B対英ポンドでのユーロ買い圧力(英仏間における漁業権問題の深刻化)、Cドイツの大衆紙ビルトによるラガルドECB総裁批判(ラガルド総裁がインフレ進行を容認し、一般世帯の所得や貯蓄を目減りさせているとの批判記事→金融緩和政策に対する不満の高まり)、D米長期金利の伸び悩みが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1609まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/2午前6時15分現在)では、1.1604前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は10/28に記録した約2週間ぶり安値113.25をボトムに反発に転じると、昨日は一時114.46まで上昇し、10/20に記録した約4年ぶり高値114.71に迫りました。強い買いシグナルを示唆する三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダーも継続する中、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(オシレータ系インジケータの過熱感も解消済→更なる上昇に期待)。ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(FRBは11/4未明に発表するFOMCでテーパリングを決定する見込み。米ゴールドマン・サックスはFRBの利上げ開始時期の予想を2022年7月へと1年間前倒し。2回目の利上げは2022年11月と予想)や、A黒田BOJ総裁による円安容認観測(同氏は先週、「現時点で若干の円安だが、これが悪い円安とか日本経済にとってマイナスになるということはない」「日本経済に総合的にプラスであることは確実」と発言)、
B株式市場の堅調推移(米主要3指数は全て史上最高値を更新→リスク選好のドル売り・円売り→クロス円上昇→ドル円連れ高)、C本邦における政局不透明感の後退(衆院選で過半数を維持。甘利幹事長辞任で高市早苗政調会長の影響力が高まる場合には、大型経済政策への連想から一段と円売りが強まる可能性あり)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。但し、本日は明日以降に重要イベント(11/3の米10月ADP雇用統計、米10月ISM非製造業景況指数、11/4の米FOMC、11/5の米10月雇用統計など)を複数控え、様子見ムードが強まり易く、上下共方向感を見出しづらい展開となりそうです(114円を挟んでのレンジ相場を予想)。
本日の予想レンジ:113.60ー114.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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