南アランド週報:『週末にかけて急伸するも上値余地は限定的か。反落リスクに要警戒』(11/6朝)

南アランド円相場は10/20に記録した約4ヵ月ぶり高値7.95円をトップに反落に転じると、11/2にかけて約1ヶ月半ぶり安値となる7.33円まで急落しました。

南アランド週報:『週末にかけて急伸するも上値余地は限定的か。反落リスクに要警戒』(11/6朝)

『週末にかけて急伸するも上値余地は限定的か。反落リスクに要警戒』

〇今週の南ア円、貴金属市場の軟調、指標不冴え、株価軟調に週初7.33まで下落
〇その後はFOMC後のリスク選好回復、米長期金利急低下に約1週間ぶり高値7.55まで反発
〇南ア円90日線や200日線、転換線が密集するレジスタンスエリアで頭抑えられ上昇余地乏しい
〇ファンダメンタルズも南ア円下落を意識させる材料が増加
〇南ア円反落を来週のメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.35ー7.65

今週のレビュー(11/1−11/5)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.49円で寄り付いた後、@貴金属市場(南アフリカの主要産品である金やプラチナ)の軟調推移や、A南ア10月製造業PMI(結果53.6、予想55.8)の市場予想を下回る結果、B株式市場の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)、C5年に1度の南アフリカ統一地方選挙を巡る不透明感(与党アフリカ民族会議の得票率が民主化後初めて50%を下回る結果→ラマポーザ大統領への求心力低下懸念)が重石となり、翌11/2にかけて、9/22以来、約1ヵ月半ぶり安値となる7.33円まで下落しました。しかし、7.30ー7.35付近に控える強力な支持帯に続落を阻まれると、米FOMC後のリスク選好ムード(重要イベントをこなした安堵感→株式市場の持ち直し)や、米長期金利の急低下が支援材料となり、週末にかけて約1週間ぶり高値となる7.55円まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/6午前5時00分現在)では7.53円前後で推移しております。

来週の見通し(11/8−11/12)

南アランド円相場は10/20に記録した約4ヵ月ぶり高値7.95円をトップに反落に転じると、11/2にかけて約1ヶ月半ぶり安値となる7.33円まで急落しました。週末にかけて持ち直すも、ローソク足は90日移動平均線や200日移動平均線、一目均衡表転換線が密集するレジスタンスエリアで止められており、テクニカル的に見て、上値余地は限定的と判断できます(来週は一巡後の反落リスクに要警戒)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@電力会社エスコムによる計画停電の実施や、A上記@を背景とした南アフリカ経済の先行き不透明感(今週発表された南ア10月製造業PMIは市場予想を下回る冴えない結果)、Bインフレ高進に伴う南アランドの実質金利低下(脆弱な南ア経済を背景にインフレ退治の利上げに踏み込みづらい状況)、C南アフリカを巡る政局不透明感(5年に1度の南アフリカ統一地方選挙の結果を受けてラマポーザ政権の求心力が一段と低下→デモや暴動など政情不安の再開懸念)、Dスタグフレーション懸念を背景とした新興国から米国への資本流出圧力など、南アランド円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では南アランド円相場の反落を来週のメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は11/10に発表される南ア10月SACCI景況感指数や、11/11の中期財政政策(MTBPS)に注目が集まります(※MTBPSは元々今週発表される予定であったが、突如来週に先送りされたことで普段より注目度が高い)。南ア経済指標の冴えない結果が示される場合や、南ア財政状況の一段の悪化が示される場合などには、南アランドに強い下押し圧力が加わると予想されため、来週は南アランド円相場のダウンサイドリスクに注意を要する1週間となりそうです。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.35ー7.65

『週末にかけて急伸するも上値余地は限定的か。反落リスクに要警戒』

南アフリカランド円

注:ポイント要約は編集部

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